フィットネス市場、過去最高を更新

 レジャー白書の調査では、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなど余暇をスポーツに充てる人は年々増加傾向にある。フィットネスクラブの利用者も同様で、2018年の国内フィットネスクラブ市場は4,800億円と、過去最高を更新。2012年以降、7 年連続での成長となる。

 国民の健康志向の高まりを背景に、老若男女様々な層がフィットネスクラブを利用する中、フィットネス市場には近年、多様化の波が押し寄せている。なかでも「マシンジム」「プール」「スタジオ」の3種の神器を備えた旧来の大型クラブというよりも、パーソナルトレーニングやヨガ、ピラティス、ストレッチなど、専門店化した小規模クラブの出店が増えつつある。

 これら新興勢力では、パーソナルトレーニングに特化し、有名芸能人が劇的に痩せるテレビCMで、2018年の売上高ランキングで業界5位につけるRIZAPや、女性限定のサーキットトレーニングで急成長を遂げ、国内約2,000店舗に到達、業界6位のカーブスなどが代表格だ。ほかにも、急速に店舗数を拡大する24時間フィットネス「エニタイムフィットネス」は今年3月、国内500店舗に到達した。ホットヨガを提供する「LAVA」も約420店舗を展開。100店舗以上を展開する小規模クラブは年々増加している。

 レジャー白書ではさらに、2018年の傾向として、新タイプのコンセプチュアルな“ブティックスタジオ”と称し、米国フロリダ発祥の「オレンジセオリー」や暗闇バイクフィットネス「FEELCYCLE」、低酸素環境下で高地トレーニングを提供する「ハイアルチ」、サーフエクササイズで知られる「Surf Fit」―― など、小規模かつ目的志向業態の出店が相次いでいる点を紹介、今後の動向に注目されるとしている。

 一方、追われる立場にある業界4強(コナミスポーツ、セントラルスポーツ、ルネサンス、ティップネス)でも、24時間フィットネスや暗闇フィットネスなど新業態の小型店舗の経営に乗り出すなど、対抗措置で迎え撃っており、老舗クラブと新興勢力との競争は今後ますます熾烈を極めることが予想される。

 スポーツ大国である米国のフィットネス市場が約3兆円と言われる中、国内のフィットネス市場のポテンシャルを「米国市場の半分」とするクラブ経営者も。年齢・性別・目的別…など、多様化するニーズを上手く捕え、国内フィットネス市場がどこまで成長できるのか、業界勢力図の変化は…? 群雄割拠のフィットネス市場から目が離せない。

詳しくは健康産業新聞第1675号(2019.9.4)で
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