機能性表示食品 あり方めぐり議論開始

 消費者庁は4月19日、「機能性表示食品を巡る検討会」(座長:神戸大学大学院法学研究科教授、中川丈久氏)の初会合を開催、小林製薬の紅麹問題を受けた今後の制度のあり方に関する議論が始まった。健康被害報告の遅れへの対応や、原材料の品質管理などが論点として取り上げられた。24日には業界団体等からヒアリングを実施。今後さらにヒアリングを重ね、5月末に今後の方向性を提示する。

 

 初会合では消費者庁が、保健機能食品の現状などを説明。その後、検討会構成員による意見交換が行われた。国立医薬品食品衛生研究所名誉所長の合田幸広氏は、今回の問題点の1つとして、制度ではトラブルが起きた時に迅速に届け出ることとしているが、健康被害の報告に2ヵ月以上かかったことを指摘。「制度的に対策していく必要がある」とした。藤田医科大学特命教授の三浦公嗣氏は、議論を行う際に、「科学的な見地から分析を含めて行っていく必要がある」ことに言及。どのような課題があるのかを抽出した上で議論を進めていくことが適切ではないか、と述べた。岐阜医療科学大学薬学部教授の宗林さおり氏は、食経験の重要性に触れると共に、健康被害情報の報告にあたり「何日以内」という期限が決められていなかったことを指摘した。

 

 4月24日の第2回会合では、業界団体と消費者団体からのヒアリングを実施。健康食品産業協議会の橋本正史会長は、健康被害が発生したことを「業界団体として重く深刻に受け止めている」とし、品質・安全性について業界全体として取り組み強化を目指すとした。また、今回の問題を受けて、サプリメントを明文化する必要性に言及。製造工程の安全性向上については、国の協力を得ながらcGMPを目指し、「国際的な調和を図るべきだと考えている」と述べた。日本健康・栄養食品協会の矢島鉄也理事長は、錠剤・カプセル等食品の製剤・包装工程はGMPによる製造・品質管理が浸透しているが、原材料製造工程はまだ不十分であると指摘。原材料製造に関しても、「GMPによる管理を推奨すべきと考えている」とした。つづく

 

 

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