特集【セラミド】 認知機能改善や免疫賦活などの機能性も

 近年の脂質研究の推進によって重要性がますます認識されているセラミド。肌の「潤いを守るのを助ける」「バリア機能を維持する」「弾力を維持する」などをテーマにグルコシルセラミドを機能性関与成分とした機能性表示食品は211品に拡大(3月28日現在)。前年の同期比で23%増加するなど、肌への機能性領域で抜群の存在感を見せている。現在、機能性表示食品全体における肌の保湿をテーマにした受理品総数は420品を超える。この内、グルコシルセラミドを関与成分とした商品が占める割合は約半数に。人気の要因として由来植物のバリエーションの豊富さが挙げられる。

 

 現在受理しているグルコシルセラミドの由来植物は、パイナップル(89品)、米・米胚芽(80品)、コンニャク(26品)、トウモロコシ(11品)、桃(2品)に加え、醤油粕(2品)、ジャガイモ(1品)が登場した。設定有効量ではダイセルが販売するコンニャク由来セラミドが0.6mgとクラス最少。他素材では1.2〜1.8mgに設定している。素材が持つイメージや味への影響、有効量や価格など、採用基準が数多くあるのもセラミドの特長だ。コロナ禍で届出スピードもやや緩やかになった印象だが、アフターコロナに入り商品開発の機運も高まっている。

 

 肌への機能性以外にもセラミド新たな機能性がわかってきた。北海道大学大学院先端生命科学研究院とダイセルの共同研究では、アルツハイマー病発症予防にグルコシルセラミドが有効であることを確認。ヒト介入試験により有効性を確認した。脳内のアミロイドβの蓄積が軽減できる可能性を示した結果となり、現在関心の高い脳機能サポートの分野での応用が期待される。また、オリザ油化が昨年、樹状細胞の活性による免疫活性に関する有効性を確認。免疫領域については、機能性表示食品でも関心が寄せられる分野で、今後の広がりに注目が集まる。オリザ油化では、セラミドの有効成分であるグルコシルセラミド以外に、新たな成分の同定にも成功しており、近畿大学との共同研究で、第2の保湿成分β-シトステロールグルコシド(BSG)、さらに第3の保湿・美容成分であるヒト型セラミド6(AP)”Elasticamide”を確認している。これらの成分の美白作用についてもヒト介入試験で確認しており、さらなる研究の推進にも期待が寄せられる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1785号(2024.4.3)で
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