小林製薬の紅麹問題、影響拡大

 小林製薬は3月22日、機能性表示食品『紅麹コレステヘルプ』の摂取による腎疾患等の健康被害報告があったことを発表。分析した結果、一部の紅麹原料に同社が意図しない成分が含まれている可能性が判明した。27日時点で、意図しない成分の特定や、製品と腎疾患等との関連性の有無は確定していないとしている。『紅麹コレステヘルプ』はシリーズ3品で、2021年4月から2024年3月までに約100万個を販売。健康被害報告があったのは1月中旬からという。

 

 同社の発表以降、同社紅麹製品による健康被害報告は積みあがっており、厚労省によると、3月27日時点で、入院患者または入院していた患者は計106人。健康被害は、2023年9月以降に製造された『紅麹コレステヘルプ』を摂取していた人に偏っているという。同社製の紅麹は、自社商品だけでなく、子会社である小林製薬バリューサポートを通じ、52社に供給。同社が供給する紅麹原料を用いた製品で腎疾患等が発生したとの連絡は受けていないというが、対象となる10品の紅麹原料についても自主回収することとした。

 

 23年に製造した紅麹原料は18.5t。その内、小林製薬の『紅麹コレステヘルプ』等に2.4tを使用した。企業向けに供給した16.1tの内、『紅麹コレステヘルプ』等と同じ紅麹原料は6.9tで、品番は「V.ベニコウジ 3P-D20」。サプリ等に配合されている。残りの9.2tは着色・風味付けなどの用途で、「意図しない成分」が含まれていないことを確認しているが、回収の対象とした。本紙の取材では、同社原料を使用した企業には、在庫・流通している最終製品、廃棄費用などについて補償するとの連絡があったという。

 

 消費者庁では3月26日、機能性表示食品の全品点検を行うことを決定。企業の健康被害情報収集体制などをチェックするとしている。また、健康被害の発生を受けて3月27日、厚生労働省、消費者庁、農林水産省、国税庁による関係省庁連絡会議が開催された。さらに同日、消費者庁は「紅麹使用食品への対応に関する消費者及び食品安全関係連絡会議」を開催。自見大臣(消費者及び食品安全)は冒頭、消費者庁と食品安全委でも「関係省庁と足並みをそろえて対応していくことが非常に重要」とし、スピード感をもって対応していくことに言及した。つづく

 

 

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