特集【ローヤルゼリー】 市場規模、前年比微減の295億円

 全国ローヤルゼリー公正取引協議会が3月12日に開催した「令和6年度定時総会」で理事の水谷氏は、「2023年のローヤルゼリー(RJ)およびハチミツ市場は、共に前年比減少が予想される。しかし、RJ、ハチミツ共に長年人々の健康に寄与し、研究開発も活発になっている。会員企業が新たな年に向け躍進していく」と話した。RJ公正取引協議会によると、同協会が2023年度に発行した証紙枚数は42万7,200枚(公取協交付分)、21万4,400枚(自己発行分)で、合計 64万1,600枚(前年比3%減)となった。前年の18%減と比較して落ち幅は低いが、RJ販売の減少が続く。同協議会の会員数は、1社増え172社となった。

 

 財務省の通関統計によると、2023年のRJの輸入量は240t(2022年308t)となり、2年連続で300t台を割った。通関統計量では、生RJと粉末RJが混在しているが、生RJは粉末の倍近く輸入されていると言われる。海外から生のまま冷凍で輸送され、国内でFD化する例が多い。主な輸入国は中国が 9割以上を占め、台湾、タイと続く。主なサプライヤーはアピ、森川健康堂、ジャパンローヤルゼリー、クインビーガーデン、健康生活グル―プ友愛、秋田屋本店など。いずれも老舗企業による堅調な原料供給、OEMがRJ市場を支える。証紙の使用枚数や会員企業数の変動、輸入量の推移、各社へのアンケート調査などから算出した2023年度のRJサプリメントの市場規模は295億円と推計され、前年比2%減となった。

 

 

 RJ製品の主な販路は、サプリメントは自然食品店、MLM、百貨店など、ドリンク系は薬局やネット通販などが多くを占める。ウェルネスは、30年以上、全国の百貨店へ卸を行い「一人ひとり丁寧に接客しており、長年のお客さんが付いている」と話す。MLM企業からは、「値段は高いが効果を実感してリピートしてくれる顧客で成り立っている」などの声が聞かれた。RJをメインとした製品の単価はドリンクでも1本500円程度、サプリメントの多くが最低でも5,000円から2万円以上の高価格帯が多い。そのため、「新規顧客の獲得は簡単ではない」「DgSで店頭に置いておけば売れるものではない」など成熟した市場ゆえに、新規ルート開拓や大幅な売上増の難しさを挙げている。

 

 一方、近年「フェムケア」や「スポーツニュートリション」分野の用途が拡大している。スポーツニュートリション分野では、ジャパンローヤルゼリーと森川健康堂、日清オイリオが、インフォームドチョイス認証を取得した『JRJピュアローヤルゼリー エッセンス』『スポーツローヤルゼリーエナジードリンク』『MCT CHARGE』をそれぞれ販売している。「インフォームドチョイス」は、アスリートがドーピングに違反しないよう第三者機関が製品を検査・認証する。認証を取得した製品は、プロアスリートの需要が見込まれ、同時に安心安全を証明するブランディングにも生かされている。また、川原商会のRJ配合のスポーツ飲料『VESPA』は、好調だった昨年の売上を維持。スポーツ量販店の催事などで売れているという。つづく

 

 

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