特集【カキ】 スポーツ領域、フェムケア分野で利用進む

 健食市場で流通する原料は、カキを抽出・濃縮したものが大半を占める。国内では、瀬戸内海、北陸産、三陸産などのカキを使用。県別生産量では、広島県が約1万7,100tで最も多く、全体の6割超を占める。県によると、「今シーズンの出だしは、海水温の上昇や少雨などが影響し、生育不良が目立ったが、今年に入り生育状況が良くなっている」と話す。海外品は中国産、韓国産、インド産などがある。原料価格はキロ当たり8,000円前後から3万円前後。主な原料・OEMメーカーは、備前化成、丸善製薬、サンエフ、ヤマト漢方、仙味エキス、松翔など。各社、産地、製法、価格、機能性データなどで差別化を図る。

 

 原料では、ペプチドや亜鉛などを強化したものや、乳酸菌発酵を用いた原料なども流通。また、カキ特有の臭いを除去させた原料など、新原料を開発して本格供給を始める動きも。原料価格については、養殖船の燃料費や工場のエネルギーコストが増加している中、各社からは、「自助努力のもと、現状維持で対応している」「製品の価格改定を行った」など、様々な声が聞かれた。

 

 末端製品ではサプリメント、飲料、ゼリータイプなどが流通。活力サポートや、肝機能サポート、日々の健康維持を訴求した商品が多い。また、認知度が高く、体感を得やすい点が支持され、10、20年と長年にわたり販売されているロング商品も少なくない。機能性表示食品では、「疲労感の軽減」「睡眠の質(夢み)の向上」「ストレス(イライラ感)緩和」を謳える商品が登場している。販売メーカーでは、新市場の開拓を積極的に展開。アンチドーピング認証を受けた商品も複数品あり、スポーツ領域での提案が実を結び始めている。日本クリニックは、アンチドーピング認証「インフォームドスポーツ」を取得したサプリメントを展開。疲労回復やストレス軽減、エネルギー代謝向上などのエビデンスを差別化にスポーツ領域での利用が拡大。売上の底上げに繋がっているという。

 

 このほか、各社からは、「男性ユーザーの購入率が高く、リピート率も良い」「取り扱い店舗数が増え、売上は2ケタ増を達成した」「マカ、ニンニクなどと組合せた活力系商材のOEMが継続的にある」「妊活サポートサプリとして扱いたいという相談が増えた」「亜鉛、鉄に対する問合せが目立っており、フェムケア商材として期待できる」「国産原料なので海外から引合いが増えた」など、明るいコメントが聞かれた。つづく

 

 

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