特集【フェムケア・フェムテック】 製品理解向上が、さらなる起爆剤に

 フェムテックは、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決しようとする製品・サービスを指し、フェムケアは特定のテクノロジーに依存せず、様々な方法でその健康課題を解決する製品・サービスを指す。フェムケア製品は、サプリメント、化粧品、吸水ショーツ含むサニタリー製品をはじめ、月経カップ、セルフプレジャーなど様々ある。PMS(月経前症候群)、妊活、更年期、冷え性、骨粗鬆症、デリケートゾーンケアなど、女性のライフステージごとの悩みに対応するため、その領域は年々広がりを見せている。2月に開催された「健康博覧会2024」では、フェムケア・フェムテック製品などを集めた「ジェンダード・イノベーションEXPO」エリアを設置、45社以上の出展があり、多くの来場者を集め、大盛況だった。

 

 健食や化粧品市場でもフェムケアに注目した商品開発が活発化している。健食分野では、更年期、生理痛、妊活、冷え性などに対応する製品が流通。利用されている健食素材は、大豆イソフラボン、乳酸菌、サジー、ザクロ、ヒハツ、クロレラ、ラフマ、松樹皮、エクオール、ローヤルゼリー、マカ、葉酸、GABA、カモミール――など、多岐にわたる。既存原料をフェムケア分野に関連付けて提案する動きも進んでいる。サジーは、女性に不足しがちな鉄分やミネラルを豊富に含んでいることから、引き合いが増えている。ザクロは、女性ホルモンのバランスを整えるエストロンを含み、更年期障害の症状緩和などが期待される。昨年にはテレビ番組でも紹介され、さらに注目を集めている。

 

 市場の広がりに伴い、フェムケア分野の機能性表示食品も続々登場。主な機能性関与成分は、CP2305ガセリ菌(L. gasseri CP2305)、乳酸菌GR-1(Lactobacillus rhamnosus)および、乳酸菌RC-14(Lactobacillus reuteri)、ヒハツ由来ピペリン類、ラフマ由来ヒペロシド、ラフマ由来イソクエルシトリン、ザクロ由来プニカラジンなど。「月経」「膣内環境」「脚のむくみ」「手の冷え」「女性の排尿」などの文言を使用した機能性表示食品が受理されている。「月経」に関しては、アサヒグループ食品が初の受理となり、続いて常磐植物化学研究所が受理をしている。

 

 一方、化粧品業界ではデリケートゾーンケア製品を中心に市場開拓が進む。花王や牛乳石鹸など大手企業も参入してきた。さらに更年期やPMSに伴う女性ホルモンのバランスに着目したスキンケア開発も。東洋ビューティは、女性のライフステージに合わせ、健やかな肌を保つ独自の美肌セオリー『Wホルモンアプローチ』を確立。PMSや更年期を迎える女性向けに成分やテクスチャーに香りを組み合わせてケアするスキンケアのODMを提案している。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1784号(2024.3.20)で
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