連載③【薬局・薬店の新規事業】 延べ100万人、25年間の薬剤師経験をもとに開発

 ㈱トラッドアローズ(神奈川県大和市)は、生薬茶とスパイスをベースにアガベシロップを加えた健康ドリンク『e-FORCE』シリーズを展開。同社代表取締役社長で薬剤師の松﨑裕子氏が調合開発し、製品デザインやラベル製造を含む液体充填、製品化まで内製化している。松﨑氏は病院薬剤師と調剤薬剤師の勤務歴25年以上、累計100万人の患者の悩みに対応し、薬剤師の指導員としても活躍。その中で、「治療は必要だが、病気にならないよう促すことができているのか」について疑問を持ったという。

 

 健康ドリンク開発の経緯については、「親となって初めて子供たちが生きる将来の日本の姿を自分事として捉えるようになった」という。開発に当たり、生活習慣病が起因で亡くなる率が過半数を超える点に着目。薬剤師勤務時代に、漢方処方で、痛みの改善に繋がるケースがあり、東洋医学の概念に関心を持った。栄養に関する知識を持つ人は少なく、薬剤師としてのこれまでの自身のノウハウを活かし、安心で美味しく取り入れられるドリンクを考案したいと考え、サプリメントでも多数用いられている漢方生薬を独学で研究した。

 

 「勤務薬剤師から独立して、全て手探りでのビジネス展開だったため、倒産の危機もあった。開発品目をドリンクにした理由は、いくら健康に良いとは言っても、医薬品のように味気ない感じにはしたくなかったため」と語る。ラインアップは全6種。地方紙での紹介を皮切りに人気を集め、生産ロットが少ないながらも既に販売1万本を突破。著名なデザイナーや芸能人などの愛用者もあり、着実に需要が広がっている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1784号(2024.3.20)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら