眼抗加齢医学研究会、アイケアや加齢黄斑変性に対するNMNやルテイン等の有用性紹介

 眼抗加齢医学研究会アップデートセミナーが3月3日、都内で開催され、眼科医を中心に医師やヘルスケア関係者が参加した。研究会は、藤田医科大学東京先端医療研究センターの小沢洋子教授が世話人代表を務め、緑内障やアイフレイル予防、AREDS、抗酸化などをキーワードに11の演題が行われた。慶應義塾大学医学部眼科学教室の稲垣絵海特任講師は、「NAD関連代謝物のヘルスケアへの応用」と題し、NADは体内で酸化還元反応を媒介する重要な補酵素であり、老化制御機能など様々な細胞内機能の調整を行うと紹介。加齢と共に濃度が下がることから、中間代謝産物(NRとNM)を摂ることが効果的で、欧米ではNRの臨床が先行しているが、慶應義塾大学では、ワンストップでNADに変換するNMNが有利との見解を示した。同氏は、ワシントン大学の今井眞一郎氏と共同研究を行い、500mgまでは安全に代謝されると説明。運動や食事でNADレベルが上がるエビデンスを紹介し、眼科領域での利用を示唆した。

 

 ランチョンセミナーでは、ケミン・ジャパンとDSM共催により聖隷浜松病院アイセンター長の尾花明氏が、「カロテノイドでつくる身体と目の健康」と題し、目の黄斑の構造や作用、カロテノイドとの関係について解説した。黄斑色素は青い光を吸収し、抗酸化作用により錐体細胞が阻害されるのを防御。コントラスト感度の向上などの働きがある。近年、高齢者に増えている加齢黄斑変性は、カロテノイドの関係上、ルテイン・ゼアキサンチンを3.5mg/日摂っている人は摂ってない人よりもAMDになる確率が下がると指摘。カロテノイドは、体内に備わっていないので、個人差があるとしながらも、ルテインとゼアキサンチンのサプリメントでAMDが22%下がるという研究結果を紹介した。つづく

 

 

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