特集【青汁】 踊り場続く市場、ブレイクスルーどこに・・・
本紙編集部では1月中旬〜2月上旬に掛けて、青汁製品の原料サプライヤー、受託加工・製品OEM事業者、販売メーカーを対象に、取材およびアンケート調査を実施。2023年通期の青汁製品(グリーンスムージー含む)の市場規模をまとめた結果、前年比0.47%減の推計約1,073億円となった(小売ベース)。2023年の市場を総括すると、青汁製品の主要通販企業の多くが前年に対して売上を落とした。ほとんどは微減だったが、なかには2ケタ減との回答も見られた。各社からは、「他の主力アイテムに販促費用を掛けたため」とのコメントが多かった。一方で、青汁製品を重点に販促を仕掛けた企業では、大幅伸長したところも見られた。このことからも通販市場ではパイの奪い合いとなっていることがうかがえる。
また食品・日用品の値上げラッシュを受け、”ついで買い”が主体の食系店舗で展開する企業からも、苦戦したとの回答が多く見られた。一方、DgSで展開する主要企業は、概ね堅調な動きを示した。ただ、近年はDgSによるPB製品化が増加しており、NB製品とPB製品の食い合いも見られた。実際、自社ブランドとPB・OEM事業の双方を展開する企業からは、自社ブランドの売上は減少し、PB・OEMの売上は増加したとのコメントも聞かれた。この他、2023年は5月のコロナ収束を受け、インバウンド需要のV字回復が見込まれたが、8月のアルプス処理水排出を機に、中国で嫌日ムードが一気に高まり、国慶節の大型連休で期待された中国人団体観光客の相次ぐキャンセルなどもあって、インバウンドの見込みが外れた点も影響した。
青汁の認知度は非常に高いものの、国内市場では、特定のヘビーユーザーによる高リピートに支えられている特殊な市場であること、またヘビーユーザーの多くが中高年層で、特に高齢者層が多いことが判明している。市場自体のパイを拡大するには、Z世代や30〜50代の中年層など、新規ユーザーを獲得することが課題となっている。こうした中、各社では新規ユーザー開拓に向けた様々な施策に取り組んでいる。残念ながら、ひと昔前のフルーツ青汁の様な突出したアイテムは、今のところまだ生まれていないが、いくつかヒントは見えてきた。つづく
詳しくは健康産業新聞1782号(2024.2.21)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら