特集【5-ALA】 ミトコンドリア活性化を介した多機能に注目

 5-アミノレブリン酸(5-ALA)は、細胞や血液中に蓄えられる遊離アミノ酸の一種。ミトコンドリアのエネルギー(ATP)生産の過程において必要不可欠な物質であり、ミトコンドリア機能を活性化させる。5-ALAは体内で鉄と結合することで「へム」という物質に。ミトコンドリア内では「シトクロム」という物質になることで生命エネルギーを生み出している。5-ALAは、ヒト介入試験によるエビデンスを多数積み上げている。「血糖値」「高齢者の運動」「男性更年期」「うつ」「抗疲労」「コロナ後遺症」などに関する論文は計30報に及ぶ(診断薬・がん関連除く)。

 

 血糖値に関する論文は、境界型糖尿病を含めて5報のエビデンスが発表されている。広島大学の研究では、5-ALA15mgの摂取で境界型糖尿病の血糖値改善を確認したほか、鉄との相乗効果でさらに良い結果を認めた。サルコペニアに関しては2023年、順天堂大学のサルコペニア身体能力改善効果をテーマにした論文が、国際科学誌『Nutrients』に掲載された。男性更年期に関する論文では、「5-ALA摂取により、男性更年期障害における症状を改善させる可能性が示唆された」とする研究成果が学術誌『World journal of men's health』に掲載された。睡眠と気分障害改善に関する論文はハワイ大学から、疲労軽減効果については広島大学の介入試験結果が報告されている。新型コロナ後遺症については、東京大学による特定臨床研究が行われた。5-ALA投与量は1日300mgで検証、「5-ALA摂取前後における疲労感、不安やふさいだ気分の改善を統計学的に確認した」としている。

 

 5-アミノレブリン酸リン酸塩を関与成分とする機能性表示食品は1月27日現在、17品受理されている。1日摂取量当たりの5-ALA含有量は、15〜100mgと訴求によって様々な設計が組まれている。「高めの空腹時血糖値を正常に近づけることをサポートし、食後血糖値の上昇を穏やかにする」「加齢に伴い低下する運動効率を上げ、運動量(運動する時間や量)の増進をサポートする」「一時的に落ち込んだ気持ちを和らげる」「睡眠の質を改善」「一時的な疲労感を軽減」「中高年の女性の方の肌のうるおいを守る」旨の表示が受理されている。

 

 昨今では、サプリに留まらない商品開発も。今春はソフトキャンディーの機能性表示食品2アイテム(『アラプラス こころケア ソフトキャンディー』『アラプラス糖ダウン ソフトキャンディー』)の発売が予定されている。ドリンク形状では、『アラプラス 糖ダウンドリンク』が登場。日常生活で摂取しやすいドリンクタイプで、幅広い購入層にアプローチしている。昨年は大手コンビニでの販売もスタートした。つづく

 

 

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