特集【注目のインナービューティ商材】 ”肌+α”の提案進む

 身体の内外を健康で美しく保つことを目的に摂取するインナービューティサプリ。長引くコロナ禍でも、安定した需要の高さから市場は堅調に推移。本紙が昨年12月に実施した健食受託加工・製造企業を対象とした定期アンケート調査でも、2023年受注件数が伸びた分野で、「美容・美肌」がトップだったほか、親和性の高い「ダイエット」「スポーツニュートリション」なども上位にランクインした。

 

 インナービューティ素材は、コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸、セラミド、ビタミンCなどの定番素材に加え、乳酸菌、NMN、青汁、酵素などの活用が進む。剤形は、飲料、カプセル、グミ、ゼリー、顆粒など多種多様。美容サプリは化粧品よりも場所や時間を選ばず、手軽に摂取できるのが特徴のひとつ。なかでも小型瓶タイプの美容ドリンクは人気があり、大手ECモールでも、コラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸配合のドリンクが上位を占める。美容サロンやクリニックなどの専門店ルートでは、体感性や成分の含有量が重視され、錠剤やカプセル剤形の人気が根強い。

 

 肌への効果を訴求する機能性表示食品は、昨年150品超が受理され、前年、前々年とほぼ同水準で安定的に推移。累計では800品超となった。主な機能性関与成分としては、ヒアルロン酸Na、セラミド、アスタキサンチン、コラーゲンペプチド、プロテオグリカンなど。この1年では、GABAやパイナップル由来グルコシルセラミドが多かった。また、腸活や菌活ブームから乳酸菌の利用も目立った。新たな機能性関与成分では、NMN、完熟オクラ種子由来OF4949-Ⅱ、ボニートエラスチンペプチドなどが登場した。表示例では、「肌の潤い」「肌のバリア機能」「肌の水分量を高める」「紫外線刺激から肌を守る」「目・口・肌のうるおいを保つ」――など。

 

 コロナの5類感染症移行後、人流が戻り、対面機会などが増え、美容に関する意識が再び高まった。㈱インテージヘルスケアが昨夏に実施した調査(n=4万3,958人)によると、「コロナ禍中よりも気にするようになったことや、新たに気にするようになったことがあるヘルスベネフィット」の上位10項目に、「美肌・肌ケア」の回答がランクインした。 また近年、メーカーサイドでは、美肌訴求にプラスアルファの要素を組み込んだ商品開発・提案を進めている。肌ケアの機能性表示食品には、「脂肪対策」「ストレスケア」「快眠」「便通改善」「関節維持」「筋肉量維持」などと組み合わせた受理品が増えている。

 

 今回の取材では、原料・販売メーカーからは、「美容成分を配合したプロテインの売行きが良い」「美容とメンタルケアを組合せたOEM依頼が増えている」「以前に増して健康美を求めるユーザーが増え、インナービューティ商材のコンセプトも変化してきた」などの声が聞かれた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1780号(2024.1.17)で
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