特集【注目の”健脳”素材】 機能性表示食品 500品突破

 総務省統計局が敬老の日に合わせて発表している高齢者人口に関する統計によると、2023年9月15日時点の日本の65歳以上の高齢者人口は3,623万人と、前年に比べ1万人の減少、1950年以降で初めての減少となった。高齢者人口の内容をみると、70歳以上人口は2,889万人で、前年比20万人増、75歳以上人口は2,005万人(同72万人増)、80歳以上人口は1,259万人(同27万人増)となっており、75歳以上人口が初めて2,000万人を超えた。総人口に占める高齢者人口の割合も2023年は29.1%と過去最高を更新した。

 

 超高齢社会の日本において高齢化率と併せて深刻な問題が、フレイルや認知症有病者の増加だ。団塊世代の全てが後期高齢者となる2025年には、認知症有病者数が高齢者の約5人に1人に当たる約700万人となると推計されている。こうした中、昨年6月には「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立した。ただ、基本的施策の中には、「認知症の予防等」に関する項目も入ってはいるものの、全体的には認知症患者を対象とした内容が中心だ。現実的には、医療費や介護保険費用は今後、ますます逼迫することは目に見えており、予防や未病対策がむしろ喫緊の課題となる。そこで予防分野を担う健康業界が果たす役割は、今後さらに大きくなると予想される。

 

 認知症の予防は、適度な運動やバランスの良い食事、十分な睡眠など、生活習慣病全般の予防と変わらない。社会活動に参加することも重要だ。健食・サプリメント市場では、健脳対策として、イチョウ葉エキスやDHA・EPA、GABA、 ホスファチジルセリン(PS)、プラズマローゲン、シークヮーサー、PQQ――など、様々な素材が流通している。認知機能の一部である「記憶力」「注意力」の維持・向上などのヘルスクレームを表示できる機能性表示食品の受理数も年々増加しており、1月10日時点で549品(撤回除く)となっている。

 

 2023年の1年間では76品が受理された。機能性関与成分で見ると、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体・イチョウ葉由来テルペンラクトンとDHA・EPAがそれぞれ11品、次いでGABAとルテイン・ゼアキサンチンがそれぞれ9品となった。また2023年には、カイコハナサナギタケ由来ナトリード(第一工業製薬)、ミカン混合発酵茶葉由来ヘスペリジン(アリメント工業)が新たな機能性表示関与成分として受理された。つづく

 

 

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