【インタビュー】 「現代人は、酵素をサプリメントで補う 必要がある」(鶴見医師)
鶴見隆史先生は、薬を使用せずに、人の本来持つ酵素と免疫の能力を見つめ直し、サプリメント活用を含む多角的な戦略で病気の原因を改善する「鶴見式免疫治療」で、様々な難治性疾患の治療実績を持つ。栄養学でタンパク質=酵素が常識だった1970年代、いち早く酵素の消化と代謝の働きに着目し、9大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、水、食物繊維、酵素)の関わりを治療法として体系化した酵素栄養学の第一人者としても認知される。治療で使用するサプリメントの開発も監修される先生に話を聞いた。
―― 国内医療現場の現状について
海外をみると、2013年より年1回開催されている「国際プラントベース栄養学ヘルスケア・カンファレンス」は、医療従事者向けにプラントベースの食べ物の栄養知識を身につけるイベントで、第1回300人程度が、2018年以降は1,200人以上と年々参加者が増加している。さらに、米国最大の医療管理組織「カイザー・パーマネンテ」では、2015年頃より、患者に対して栄養指導を優先する治療方針を実施。アメリカでは年々、医師が薬を出さなくなってきている。欧州でもイギリスでは、1997年頃より国策として「ナチュロパシー栄養学」講座による医師へのレクチャーが開始され、2010年代の認知症有病率が90年代との比較で23%減少している。
英国の主要都市の医師は、2002年頃より、慢性疾患と急性気管支炎に対し、薬(西洋薬)を出さず、断食やヴィーガンメニューの提示など食事改善を指示して治療するようになった。ヴィーガンを実践する英国人も増加傾向で、2014年の16万人から2019年には60万人となり、2025年には160万人になると予測されている。ドイツ、イタリア、スイス、リトアニア、チェコなどでもヴィーガン実践者は10%超となるなど、ヴィーガンブームが起きている。
日本の医療界は、世界の医療業界と異なり、病名を付けて薬を提供するアロパシー医療を長い間続けているが、今後見直さなければ大変なことになるであろう。私の治療法による治癒や改善症例は数多くあるが、現状は一般の人々に理解して貰えれば良いと考えている。
―― 酵素の働きについて
酵素には、体内で作られる内部酵素である「消化酵素」と「代謝酵素」、そして外部から取り入れる外部酵素である「食物酵素」がある。内部酵素である2つの酵素は体内で生産され必要に応じて振り分けられるが、1日で生産される量が限られる上、年齢と共に生産量が減っていく。美容と健康においては、体を作り修復する「代謝酵素」の働きがとても重要であるため、体で生産される酵素の多くを代謝酵素に振り分けられるよう、外部酵素を取り入れ、消化酵素を節約する必要性がある。
代謝が悪い場合、あらゆる病気に繋がる。酵素はその代謝活動(入れ替え、再生、解毒排泄、免疫修復、エネルギー)に密接に関わっている。家の建築に例えると分かりやすい。人間は8大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、水、食物繊維)を使って、酵素という作業員が、家を建てているというものである。建てた後の掃除は排泄となる。どれだけ8大栄養素が摂れていても、酵素がなかったら何の役にも立たない。つまり、1軒の家に必要な壁、柱、土台、屋根、釘などの資材が揃っていても、代謝酵素という人材がいなければ絶対に家は建たない。人間の体も全く同様で、酵素がなかったなら、生命力は全く失せてしまう。つづく
詳しくは健康産業新聞1780号(2024.1.17)で
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