【特保/機能性表示食品】 疾病リスク低減特保、「心血管疾患」表示許可
■機能性表示食品7,000品近づく
機能性表示食品は21年度の受理数が1,455品で過去最高を記録、22年度は1,429品が受理された。23年度も第1四半期はこの勢いが続き、6月には180品もの商品が受理された。しかし6月30日にさくらフォレストの機能性表示食品措置命令があり、9月に届出ガイドラインが改正され、2025年4月以降、研究レビューの国際指針PRISMA2020への準拠が求められることになった。さらに10月以降、著作権の問題で、多くの企業が使用していた国立健康・栄養研究所のデータベースの引用が不可になり、混乱が広がった。
7月は100品台をキープしたものの、8~10月はいずれも100品割れ。受理ペースの鈍化が顕著になっている。ただ各社は、経過措置期間中のPRISMA2020対応に乗り出しており、また国立栄研以外のデータベース利用など、問題解決に向けた作業を進めている。機能性表示食品の取り下げを除く累計数は6,915品(12月18日公表分まで)。届出者数は1,650を超えた。機能性関与成分は「GABA」がトップを独走。機能性表示は複数表示が増える中、「脂肪」対応が最も多くなっている。
新表示では、アサヒグループ食品の「わたしプロローグ」が、「月経」を含む表示で受理された。関与成分はCP2305ガセリ菌で、表示内容は「正常な月経周期を有する健康な女性の月経前の一時的な晴れない気分、精神的疲労感、眠気を軽減する機能があります」。1月25日に発売する。新成分では、話題の「NMN」が受理。CloudNineが届出したサプリ『Refeelas』で、「肌が乾燥しがちな方の肌の潤いおよび肌弾力を維持し、肌の健康を助ける機能があります」との表示で受理された。同社では12月8 日から販売を開始した。
■特保、DHA・EPAで心血管疾患リスク低減
特保は2017年以降、年間の表示許可件数は50品を下回る。2023年の表示許可件数は11品に留まった。食品CRO事業者からは、「特保開発を目指した臨床試験は既存特保メーカー以外ない」「年間の臨床試験は数える程度」などの声が聞かれる。特保から機能性表示食品へのスイッチ品もあり、全国清涼飲料水連合会によると、2022年の機能性表示食品生産量は8,035万ケースで前年比125.1%だったの対して、特保生産量は4,825万ケースで前年比92.8%だった。
こうした中、疾病リスク低減表示で大きな動きがあった。特保に関する部会活動や講習会などを行っている日本健康・栄養食品協会が、新規申請を支援。昨年2月に、マルハニチロ、花王、サントリー食品インターナショナルの3社(3商品)が申請を行った。その後、昨年10月にマルハニチロのフィッシュソーセージ『DHA入りリサーラソーセージω』が疾病リスク低減特保として許可された。関与成分は、DHA・EPAで、表示内容は、「日頃の運動とDHA及びEPAを含む健康的な食事は、将来、心血管疾患になるリスクを低減する可能性があります」。表示許可に伴い、同社では販売の準備を進めている。日健栄協では、「新規申請で初めて表示許可が誕生したことの意義は大きい。疾病リスク低減表示に関する相談は増えており、サポートしていきたい」と話す。つづく
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