特集【クロレラ】 フェムケア、グリーンチャージなど高付加価値の提案強まる

 抹茶の代替素材としてのクロレラは、着色機能や高い呈味性、退色防止機能が評価され、長年に亘る採用・流通実績を有している。近年においても、一般加工食品での採用に加えて、外食・中食産業とのコラボによるメニュー開発が加速。今後も、着色と栄養付加を両建てする“健康着色料”として、さらに裾野が広がりそうだ。着色料としてのクロレラの実力は折り紙付きではあるが、栄養付加の面でクロレラの強みはあるのか。クロレラにはタンパク質が約60%含まれており、カルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・マグネシウムなどのマクロミネラルと、亜鉛、銅・鉄などのトレースミネラルをバランス良く含有。ビタミン類では、葉酸、ビタミンB6・D・Eに加えて、特筆すべきは、植物類では稀有なビタミンB12を含む点にある。赤血球の生成や精神疾患に有効な「葉酸とビタミンB12の同時摂取が可能な天然素材」であることは、他の植物性素材にはない訴求ポイントとなる。

 

 プラントベース素材としてのクロレラの活用にも期待が掛かる。植物性タンパク質や、ビタミンB12をはじめとした天然のビタミンやミネラルをバランス良く含むことから、代替肉、代替乳分野から注目されている。代替乳としては昨年、台湾発のフードテック企業が「クロレラを主原料に、ビタミンB12と鉄が豊富な乳製品フリーのアイスクリームを開発した」ことを発表、話題を呼んだ。現状ではコスト面に課題を残すが、クロレラ配合のアレルギーフリー、ヴィーガン食品の開発が進むことが予想される。さらに、クロレラの整味効果は広く知られているが、“旨味”の理由をクロレラ工業㈱が突き止めた。「低分子クロレラエキスは、植物性でありながら、動物性食品(鰹節など)に含まれるイノシン酸などの“天然うま味成分”を豊富に含む」ことを確認、同社では出汁や調味料としての新たな市場を切り拓く方針を打ち出す。

 

 サプリメント分野では、「クロレラ=錠剤数十粒」の固定イメージが市場拡大のネックとなっていたが、“グリーンチャージ”を切り口に、酵素飲料、青汁、スムージーへの配合が進んだ。また、プラントプロテインとしてスポーツ・アスリート向け製品の開発も進む。2021年には、大正製薬やプライベートパーソナルトレーニングジム・Deportare Club(デポルターレクラブ)がPB商品でクロレラを採用。昨年2月には、コーカスが話題のスキンケアブランド『SuiSavon‐首里石鹸‐』から初のサプリメントとして、ユーグレナ、八重山クロレラを配合した『しゅりのタネ』を上市するなど、新たなプレイヤーが市場参入を果たしている。新たな販売チャネルの開拓も。昨年末には、ユーグレナ社が開発、クロレラなどを配合した“グリーンチャージサプリメント”が会員制量販店大手の「コストコ」に採用され、販売を開始している。つづく

 

 

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