消費者庁 「送料無料」表示、法規制見送り

 いわゆる物流の2024年問題では、4月から自動車運転業務の時間外労働に上限規制が適用、輸送力が不足する可能性が指摘されている。また「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」が昨年6月にまとめた政策パッケージで、送料無料表示の見直しに取り組むことが盛り込まれた。これを受けて消費者庁では、日本が2024年問題に直面している中、運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきという観点から、事業者団体や消費者団体などと意見交換会を実施し、「送料無料表示」の見直しによる影響などについて検討を重ねてきた。

 

 6月から11月まで、9回にわたる意見交換会を実施。結果として法規制は見送り、消費者庁では「送料として商品価格以外の追加負担を求めない」旨(送料無料)を表示する場合、「その表示者は表示について説明責任がある」とする考え方をまとめた。関連事業者等に送料表示の見直しを促すと共に、「事業者の自主的な取組状況を注視していく」とした。送料負担の仕組みを表示する例として、「○○円(送料込み)」などの表示を行うケースを例示。もしくは、「送料無料」表示をする際は、その「無料」とする理由や仕組みを分かりやすく説明することなどを求めた。また、送料表示にあわせて、物流の持続可能性に関する認識や対応について「説明を行うことが望ましい」としている。

 

 消費者庁消費者制度課長の古川剛氏は今回の発表で、法規制ではなく、自主的な取り組みにとどめた理由として、「『送料無料』表示が消費者から一定の支持がある」ことや、「誰が送料を担保しているかを一概には明確にできない」ことなどを理由として挙げた。また今回の自主的な取り組みに対して、「消費者や事業者が一丸となって取り組むことが重要で、通販業界、事業者団体は取り入れ、何らかの対応を期待している」と述べた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1779号(2024.1.3)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら