特集【ペットサプリ】 ふりかけ、ゼリー剤型が市場席巻

 (一社)ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると2022年新規飼育頭数は、犬42万6,000頭・猫は43万2,000頭と10年前の犬34万頭・猫は34万頭からいずれも増加。同調査によると「家族の絆が強まった」「気持ちが明るくなった」などとペットを飼うことのメリットが挙げている。これまで飼っていたペットへ掛ける費用は増加傾向にある。なかでも、室内で飼える小型犬へのケアは高まっている。実際、犬猫をコンパニオンアニマルと呼び家族同然に扱い、費用を惜しまない飼い主も多い。1ヵ月当たりの犬に掛ける総額は、前年比0.4%増の1万3,904円、猫は13%減の7,286円と明暗分かれた。

 

 犬が、人間と同じ生活空間で食生活することで、アレルギーや免疫低下なども起きている。くしゃみが止まらない、アトピー性皮膚炎で脱毛に悩む犬猫などもおり、乳酸菌や冬虫夏草などのキノコ原料が使われてる。ペットの高齢化により口臭対策も課題となり、ハーブが利用されているケースも増えている。また、一緒に過ごす時間が増えることで、飼い主の家族達が、何度もおやつを与え、肥満体質が増えている。肥満対策では、植物由来の高タンパク質ペットフードが流通している。

 

 業界大手のいなばペットフードは、人気商品『CIAOちゅ~る』に乳酸菌配合の犬や猫用おやつを開発するなど、機能性素材配合の開発が増えているという。グルコサミン、アスタキサンチンなどの機能性素材配合した健康食品は全体売上の約2~3割までになったという。ユニチャームでは、犬用のタンパク質を多く配合し筋肉サポート食品『フィジカライフ』や猫が食事の吐き戻しを軽減する食品『All Well』が主力製品になりつつある。これらのメーカーが加盟するペットフード協会の児玉博充理事長は、今後の協会の取組の一つとして「犬や猫の健康・栄養に関して、毎年新しいエビデンスが発表されているので栄養基準をしっかり見直すことが重要」と話す。

 

 2023年11~12月に掛けて本紙が行った健食受託製造企業へのアンケート(有効回答138社)では、半数近くの61社がペットサプリを製造していると回答。その内、28社がペットサプリの受注が「増えている」と回答。各社からは「パウチ型のゼリー形状の問い合わせが増えている」「乳酸菌配合の犬向けサプリが人気」「ペットフードにふりかける粉末タイプは定番」などの回答が寄せられた。さらに、今後15社が製造を検討していることもわかった。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1778号(2023.12.20)で
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