ZOOM UP【抗疲労~エナジー~】 「睡眠の質」「運動で生じる疲労感軽減」に照準

 疲労をテーマとする機能性表示食品の商品化が活発だ。累計届出数は684品目(11月26日現在)に到達している。関与成分はGABA(γ-アミノ酪酸)、イミダゾールジペプチド、コエンザイムQ10、L-テアニン、S-アリルシステイン、低分子化ライチポリフェノール、アスタキサンチン、モリンガ種子由来グルコモリンギン、グリシン、クエン酸、松樹皮由来プロシアニジン、クロセチンなど。日常生活や運動で生じる疲労感軽減、睡眠の質向上や起床時の疲労感軽減といった訴求が目立つ。

 

 素材別受理数のトップは、GABAの145品目(11月26日現在)。仕事や勉強による一時的な精神的ストレスや疲労感緩和のほか、睡眠の質向上を訴求する製品などが開発されている。サプリメントはもとより、飲料やゼリー、キャンディなどの一般食品での製品化も。新商品は今年9月、ゼリータイプの機能性表示食品『クラッシュタイプの蒟蒻畑プラス マスカット味』(マンナンライフ)が発売された。「仕事や勉強などによる一時的な心理的ストレスや疲労感を緩和する」旨を表示する。GABAは他素材との複合タイプも目立つ。L-テアニン、パイナップル由来グルコシルセラミド、ラフマ由来ヒペロシド、クエン酸、コーヒー由来クロロゲン酸類、クロセチン、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンなどの組み合わせによる差別化も図られている。

 

 疲労訴求の還元型コエンザイムQ10は、47品目(11月26日現在)が届出受理されている。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンとの複合型では、「BMIが高め(BMI24以上30未満)の方の腹部の脂肪を減らす」「中高年の方の歩く力を維持する」を表示する製品も上市されている。S-アリルシステイン(SAC)を関与成分とした機能性表示食品は、「日常生活における一時的な身体的疲労感を軽減する機能、及び注意力や思考力などを使う作業による一時的な精神的疲労感を軽減する」旨を表示。備前化成㈱は今年、「脳疲労にSAC」をキャッチコピーとするデジタルサイネージを全国の主要駅で実施するなど、認知普及に取り組んだ。

 

 運動疲労をテーマとした素材では、ライチ由来のポリフェノールを特許製法によ り 低 分 子 化 し た 機 能 性 食 品 素 材『Oligonol®』(アミノアップ)が流通。「運動による一過性の身体的疲労感を軽減する」旨を表示する提案が進む。浜理薬品工業㈱は、運動時や日常生活における抗疲労などを訴求する「カルノシン」を供給している。自社製品では、サプリメント『カルノパワー』をスポーツ分野で展開しており、疲労感を軽減する機能性表示食品を届出中という。機能性表示食品以外では、疲労対策に役立つアミノ酸の提案も。協和発酵バイオ㈱では、グルタミンの供給に注力。「激しい運動後に低下する免疫機能の低下抑制」「筋肉疲労の回復促進」といったエビデンスベースの提案を進めている。つづく

 

 

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