ZOOM UP【健康茶】 独自ブレンドによる風味訴求で市場深耕

 日本市場には、ルイボス、カモミール、松葉、ヨモギ、ペパーミント、黒豆、ジャスミン、ゴボウ、ハトムギ、ドクダミ、菊芋、桑、サラシアといった単茶葉ほか、カモミール&レモンバーム、ハイビスカス&ローズヒップ、ジンジャー&レモングラス、ウーロン&プーアルなどのブレンド茶に至るまで、多種多様な健康茶が流通している。今年の引き合い状況を取材したところ、テーマ別では、「リラックス」「身体を温める」「生活習慣対策」「インナービューティー」「体調維持」などがキーワードに。

 

 最終製品のメーカーからは、「ノンカフェイン商品が伸長」「フルーツ入りのハーブティーが好調」「ルイボスは妊婦の支持を集めた」「和紅茶の需要が高まった」「ティーバッグタイプがリーフタイプより好調だった」との声が。自然食品専門店への聞き取りでは、「黒豆茶」「あずき茶」「ハーブティー」が好調で、「メディアで紹介されたお茶の動きが良い」との声もあった。今年はテレビで薬膳茶が紹介された。11月21日放送の情報番組「あさイチ」(NHK)では、『ジンジャー黒豆茶』『カモミール&ミントティ』『スパイスあんずティー』のレシピを紹介。ストレス解消・安眠テーマの『カモミール&ミントティ』の材料は、カモミール10g、ミント5g、ドライきんかん10g、湯500cc、はちみつ適量とした。

 

 新型コロナの5類移行を契機に、健康茶市場も活発化してきた。受託企業からは、「対面での販売を再開した企業の引き合いが増えた」「来期に向けた新商品の試作案件が立て続いている」「輸出向け案件が少しずつ増えた」「エステサロンの需要が回復傾向にある」との声が。今年はインフルエンサーによる情報発信やD2Cを強みとする企業の引き合いも強く、「顧客ニーズをしっかりくみ取った商品はリピート率が高い」という。このほか、「紅茶メーカーのハーブティー参入が目立った」などの声も聞かれた。

 

 茶葉別の傾向では、「ヨモギ」「ドクダミ」「松葉」といった単茶葉の引き合いが目立った。ヨモギはインナービューティー需要を取り込んでおり、「エステサロンでは顧客サービスの一環として、ヨモギ茶のセルフサービスもみられる」(原料メーカー)という。松葉は一時のブーム商材と予測していた企業が多かったものの、「引き続き好調」との声も寄せられた。このほか、今年は為替の影響もみられた。こだわりの健康茶需要がある一方、予算ありきといった指値需要も。ティーバッグで使用する不織布などの複合原材料などが値上げとなっており、今後の動向が注視される。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1776号(2023.12.6)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら