特集【ヒト幹細胞コスメ】 美容・エイジングケアでエクソソームの認知拡大 

 本紙化粧品受託調査(化粧品受託メーカー117社回答)によると、人気素材ランキングで“幹細胞”コスメは、上半期、下半期ともに4年連続で1位に。今年開催された『健康博覧会』や『CITE Japan』『Diet&Beauty FAIR』などの展示会でも、“幹細胞コスメ”を展示する出展社は多く、製品開発が活発化している。なお、市場では“幹細胞コスメ”として認知されているため、「幹細胞の入ったコスメ」と誤解される面もあるが、正確には「幹細胞培養液を配合したコスメ」を指し、幹細胞は含有されていない。

 

 急速な“幹細胞コスメ”市場拡大を背景に、誤認を与えないため、「化粧品等の適正広告ガイドライン」(日本化粧品工業連合会:2020年版)には、「E9『細胞』等の表現」項目が収載された。「『細胞』等を表現する場合は、客観的、化学的に認められている事実の範囲であれば差し支えないが、特別な効能効果があるかのような誤解を与えないこと」「配合成分の名称は、粧工連の『成分表示名称リスト』等に収載されている名称であること」などとしている。

 

 幹細胞研究が進む中、幹細胞から分泌されるグロスファクター(GF:細胞増殖促進因子)やサイトカイン(生理活性物質)など数百種類ともいわれるタンパク質が、エイジングケアに有用な働きを持つ可能性が明らかに。今春には、エクソソームを用いた治療が神経細胞の修復や再生に効果を示し、アンチエイジングの老化防止作用が期待されるとのTV報道を受け、ネットやSNS上で急速に“エクソソーム”の認知が高まり、化粧品への採用が拡大している。

 

 培養に用いられる幹細胞には、大きく分けてヒト幹細胞由来、動物幹細胞由来、植物幹細胞由来の3つがあり、ヒト幹細胞由来の中にも、脂肪由来や臍帯由来、毛乳頭由来などがある。日本化粧品連合会の化粧品成分表示名称リストには幹細胞順化培養液として18件が登録されている。なお、㈱ホルスの『毛根幹細胞培養液』は、米国の世界的な化粧品団体PCPC(Personal Care products Council)でINCI・表示名称を新たに取得している。つづく

 

 

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