【調査データ解説】 コロナ収束で、水素商材市場V字回復

 本紙編集部では、今年10月中旬から11月初旬に掛けて、水素商材の取扱各社に訪問取材およびアンケート調査を実施、46社から回答を得た。ここでは、2023年通期の経営状況および業績、2024年上期の経営見通し、取り扱いアイテム、販売チャネル動向、海外輸出状況、輸出国などについて、調査データを交えて水素商材市場の最新情報をレポートする。

 

◆増収企業が対前年比3割増、24年上期は「良くなる」が67.4%

 2023年通期の経営状況(見込含む)について「良かった」との回答は43.5%となり、昨年調査より17.8ポイント増加した。増収を達成した企業も63.6%となり、昨年調査より29.3ポイント増加。逆に減収企業は6.8%で20ポイント減少した。また増収企業の内、2ケタ増収を達成した企業は82.1%となり、昨年調査より14.2ポイント増加。2023年通期の水素商材市場は、V字回復した。「良かった」と回答した企業からは、「コロナ収束で主力の対面販売ルートが復活」や「コロナ収束で海外輸出が回復」といったコメントが多く聞かれた。他にも「ウォーターサーバーが好調」「医療機関や治療院向けに水素吸入器の売れ行きが伸長」「エステサロンでの売上が好調」「新規受注(OEM)の獲得」などの明るいコメントが多く見られた。2024年上期の経営見通しについては、昨年調査より30.3ポイント増の67.4%が「良くなる」と回答。「悪くなる」との回答は同1.4ポイント減の4.3%に留まった。

 

◆水素吸入器の取扱企業増加、施設への導入が伸長

 各社に取り扱いアイテムを複数回答で聞いた調査では、水素吸入器が23票で最も多く、次いで水素サプリメントが15票、水素水生成器(サーバー、スティック等含む)が13票、水素化粧品が12票となった。水素発生原料の供給先や、水素商材の卸売・直販、OEM供給先を複数回答で聞いた調査では、「メーカー・商社」では、昨年調査と同様、トップは化粧品、2位は健康食品・サプリメント、3位は医療・健康機器となった。店舗チャネルでは、健康・自然食品専門店がトップで、次いで薬局・薬店・ドラッグストア、百貨店、量販店が続いている。無店舗販売チャネルでは、通販がトップを維持。次いで宣講販、訪販、ネットワーク販売が続いた。施設では、昨年3位のエステサロンがトップ返り咲いた。2位の医療機関、3位の治療院・施術院は、近年最も水素商材の導入が進んでいるチャネルの1つだ。この他、今回の取材では、動物病院やペットサロンが水素商材を導入するケース、ペットの飼い主が水素商材を購入するケースが増えていることもわかった。

 

◆コロナ収束で、4年ぶりに海外輸出大幅回復

 海外輸出実績について聞いた調査では、「輸出実績がある」との回答は、昨年調査より19.4ポイント増の56.5%となった。コロナ収束を受け、4年ぶりに大幅に回復した。輸出実績のある国については、今年も断トツで中国(香港含む)がトップだった。次いで米国、台湾、タイ、マレーシアなど東アジア、東南アジア諸国が続いた。ただ今回の取材では、スペインやポーランド、中東などへの輸出実績を持つ企業も増えるなど、輸出国が世界中に拡大していることがうかがえた。つづく

 

詳しくは健康産業新聞1776号(2023.11.15)で
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