ZOOM UP【カシス】 豊富なエビデンスを武器に新分野の開拓へ
カシスは、ユキノシタ科スグリ属に分類される果実。フランスでは「カシス」、英語では「ブラックカラント」と呼ばれている。日本では、リキュール、ジャム、ゼリー、シロップなどの一般食品として幅広く利用されているほか、アイケア訴求の健康食品としても用いられている。カシスの主な生産国はフランス、ポーランド、ニュージーランド(NZ)、カナダなど。特にフランス、ポーランドでの栽培が盛んで、EU産カシスが世界の生産量8割を占める。NZ産のベン・アード種、ブラックアダー種は、栄養価が高く、主に健康食品用途として用いられる。
カシスの機能性研究は、日本カシス協会と法人会員が共同で実施しており、これまでに様々なエビデンスが発表されている。同協会のホームページでは、カシスに関する各種エビデンスを掲載しており、緑内障の進行抑制、抗酸化、抗ウイルス効果、末端血流改善、筋肉疲労軽減など多岐に亘って紹介。また明治フードマテリアでは、「認知機能の向上作用」をヒト試験で確認している。海外でのカシスに対する機能性研究も活発で、アメリカでは昨年、骨密度減少の抑制をサポートする機能が発表されている。
今期のカシス市場は、民放番組で加齢臭抑制作用としてカシスが紹介されたことをきっかけに、関連製品の売上が伸長。また、明治フードマテリアとメニコンが共同開発した『めにグミカシス』は、販売が好調で、配架しているチェーンDgSでは品薄状態が続いているという。さらに、緑内障などの治療の補助目的として医療機関で販売されている『カシス- i ®EX』(森下仁丹)、『ビジョンスマートスプリーム』(ジャストザベリーズジャパン)などは、リピート率も高く、底堅い販売が続く。他にもコロナ収束を受け、インバウンド向けの需要が回復。台湾など海外からの引き合いも増えていることから、サプライヤーからは、原料供給量は伸長したとのコメントが多く聞かれた。つづく
詳しくは健康産業新聞1776号(2023.11.15)で
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