特集【プラセンタ】 胎盤+αの付加価値提案も

 プラセンタは、動物の胎盤から抽出した様々な作用を持つ原料だ。動物の母体が胎児に栄養素を運ぶ胎盤には、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、成長因子など、重要な栄養素が豊富に含まれている。健食・化粧品分野では、ブタ・ウマなどを中心に、シカやヒツジの胎盤も利用されている。ブタ・ウマ由来プラセンタの主な原料サプライヤーは、スノーデン、ホルス、佳秀工業、一丸ファルコス、三共バイオケミカルズ、日本バイオコン、UTP、東洋ドイツ、スペイン産など。国産原料や、モンゴルドイツ、スペイン産などの胎盤を国内で粉末・エキス化している原料が主体。各社、酵素処理、非加熱など独自技術を採り入れ差別化したプラセンタ原料の製造している。

 

 最近では、乳酸菌や酵母発酵、エクソソーム含有のプラセンタなど、付加価値原料の提案も見られる。原料相場は、ブタはキロ3~10万円台、ウマは10~20万円台、シカも3万円台から。一方、サケ卵巣膜、植物から抽出したプラセンタ様成分の提案も活発化している。プランドゥシー・メディカルは、パイナップル果芯部の搾汁液を独自乳酸菌で発酵して得られたプラセンタ様成分を展開。プラセンタとの併用では、プラセンタ単体と比較して3.4倍の美白効果を確認している。

 

 最終製品は、カプセル、ドリンク、ゼリーなど様々な剤型に利用されている。主な販売チャネルは、通販や百貨店、エステサロンや、クリニックなどの医家向けルートだ。医家向けルートは、メルスモン製薬、日本生物製剤などが独自ルートを活用し、医科向けサプリメントとして販売。エステサロンを展開するTBCの『プラセンタドリンクEX』は、1本1万9,440円と高額ながら、20~40代の男女問わず若い人達にも人気がある。一般ルートでは、マルマンH&Bの『プラセンタ20000』が、DgSで約10年のロングセラーとして、安定した売り上げを維持している。協和では、フラコラブランドの『プラセンタつぶ』が昨年、いち早くエクソソームを配合しヴァージョンアップ。「エクソソームという伝達物質を配合することで、これまで以上に有用成分の吸収率を高められる。愛用者から引き続き好評を頂いている」と話す。

 

 機能性表示食品は、銀座ステファニーが2020年に初めて受理。「豚プラセンタ由来ペプチド」を機能性関与成分に肌保湿を訴求。その後、2021年には佳秀工業が「ブタプラセンタ由来ジペプチド」で受理。同社も肌の保湿力をヘルスクレームにサプリメントを展開。現在、女性のメンタルヘルス分野でも届出を進めている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1776号(2023.11.15)で
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