特集【水素】 市場規模 、前年比1割増の236億円

 本紙では今回、水素商材の主要メーカーへの訪問取材および取り扱いメーカーへのアンケート調査を実施。46社から回答を得た。主要企業の売上高の合算および増減率をもとにした2023年通期の水素商材の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、推計で約236億1,200万円(前年比11.2%増)となり、5年連続で市場は回復したことがわかった。ここに日本トリムやパナソニックなどが電解水素水整水器として販売する管理医療機器を加えると、450億円前後と推計される。

 

 2023年通期の経営状況(見込含む)について「良かった」との回答は43.5%となり、昨年調査より17.8ポイント増加した。増収を達成した企業も63.6%となり、昨年調査より29.3ポイント増加。さらに増収企業の内、8割が2ケタ増収を達成した。「良かった」と回答した企業のコメントでは、コロナの収束に伴う国内売上や海外輸出の増加を挙げる内容が最も多かった。

 

 また、2023年は春先から業界に追い風となるビッグニュースが相次いだ。3月には、慶應義塾大学が水素吸入療法が心停止後症候群に陥った患者の意識を回復させ、神経学的後遺症を残さないようにする画期的な治療法になることが期待される試験結果を国際ジャーナルに発表。同内容はNHKニュースでも紹介された。同月には、三菱ケミカルグループの化学メーカー・㈱新菱の『高濃度水素ゼリー』が、「水素分子」を機能性関与成分とした日本初の機能性表示食品に受理された。ヘルスクレームは、「本品には水素分子が含まれます。水素分子にはストレスを抱えている女性の方の睡眠の質(睡眠時間延長感)を高める機能が報告されています」。

 

 さらに同月、法政大学人間環境学部教授で下北沢西口クリニック院長の宮川路子氏が、『人生100年の健康づくりに医師がすすめる最強の水素術』(サンライズパブリッシング)を発売。水素の有用性や水素商材を用いた様々な臨床例を分かりやすく解説した書籍で、既に売れ行きが1万部を超えている。同著を読んだ消費者からの問合せが増えたメーカーも複数見られ、水素商材の販売にも追い風となっていることがわかった。さらに同著に紹介されている水素ビタミンC併用療法「宮川メソッド」の症例は、同業の医師からの反響も多いとのこと。これら明るいニュースは、コロナ禍で健康意識の高まった消費者の水素商材の購買欲を高め、今期のV字回復に繋がった一因と言える。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1776号(2023.11.15)で
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