特集【ウコン】 市場はV字回復、250億円規模に

 日本市場で最も認知されているウコンの機能性は「アルコール・二日酔い対策」「肝機能対応」。一方、海外市場では、ハングオーバー(二日酔い)対策素材としてのウコンの認知度は極めて低い。抗炎症素材として、サプリメントや一般食品のキーカンパニーが採用している。主要成分であるクルクミンは、本場インドでは“天然のステロイド”と称され、欧米では、抗炎症作用を活用した美容・アンチエイジング、ジョイントサポート、スポーツニュートリションサプリメントが数多く流通している。

 

 ウコンの輸出を手掛ける大手商社によると、「海外では二日酔い対策素材として、日本では抗炎症素材として、新たな用途開拓に期待している」としている。DgSのバイヤーからは「インバウンド・爆買い需要でのウコンはまだまだ伸びしろがある。日本ブランドのフェムケア(美容)、関節ケア、スポーツ栄養を訴求するウコン商品の開発に商機がある」とのコメントがあった。

 

 機能性表示食品としての受理も増加傾向に。受理企業は、「肝機能」(関与成分・クルクミン、ビサクロン)ではハウスウェルネスフーズ、脳機能をテーマとした「記憶力の維持」、「起床時の疲労感軽減」(関与成分・クルクミン)ではセラバリューズなど。前者は、アルコール対策・肝機能改善など、従来訴求の裏付けに。後者は、新たな市場形成の起爆剤としての期待が大きい。また、諸外国でポピュラーなウコンの機能性であるジョイントサポート領域での受理も目立つ。「ひざ関節の悩み軽減」(トレードピア)、「3つの膝機能をサポート」(アピ)など。

 

 今回の本紙集計では、新型コロナウイルスの感染拡大、外出自粛による飲酒機会・交流の減少などを背景に、200億円(2021年調査)を割り込んだウコン市場は、ピーク時の8割強の240〜250億円まで回復したことがわかった。市場の7割を占めるドリンク製品の盛り返しが顕著だ。ハウスウェルネスフーズ(ウコンの力)、ゼリア新薬工業(ヘパリーゼ)の2強の販売状況を見ると、「CVSチャネルでの販売が回復基調に」「コロナ前水準の約8割まで持ち直した」「2022年度は、昨対1.5倍の売上となった」などのコメントがあり、ブレーキ傾向を脱し、V字の回復軌道に乗ったことがわかる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1775号(2023.11.1)で
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