クロレラ・機能性植物研究会、「新規代替肉素材として有望」(門脇名誉教授)

 「クロレラ・機能性植物研究会」の第5回研究集会が10月14日、京都市内で開催され、米タンパク質の機能性、口腔・顎顔面と全身疾患の関連、クロレラ、エゾウコギの新知見の発表から、機能性表示制度における法的問題まで、様々なテーマの講演が行われた。クロレラについては、新規の代替肉素材として期待できることや、重金属の体外排出を促進することなどが発表された。冒頭、大会長を務める新潟大学・名誉教授の門脇基二氏は、「昨年から対面での開催を再開できた。活発な議論を期待している」と挨拶し、幕を開けた。

 

 門脇氏は、「植物性タンパク質としての米タンパク質の新しい健康機能性」をテーマに大会長講演を行った。栄養学、SDGs、代替タンパク質の観点から「植物性タンパク」が世界的に注目されていることを解説。高タンパク質素材であるクロレラ(植物性タンパク質を約60%含有)が新規代替肉素材として有望であることを紹介しつつ、日本人の主食である米の機能性研究の議論がなされていないことに着目し、研究に至ったという。

 

 米の中のタンパク質は、白米の中にデンプン約80%に対して、タンパク質は約6%と少量であることから、栄養学的に注目されてこなかったが、「日本人のタンパク質摂取量は、肉、魚に次いで、第3位に米からのタンパク質が多く、植物性タンパク質では、小麦、大豆より多く最大」であることを強調。純度90%を超える米タンパク質を調整し、機能性研究を実施した結果、脂質代謝、糖尿病、血糖値、脂肪肝、糖尿病性腎症・骨粗鬆症の改善など、多くの機能性が判明したことを発表した。

 

 研究成果を踏まえ、「米タンパク質は新たな植物性タンパクとして今後の活用が期待できる」と分析。さらに、白米は通常デンプン食品として、糖尿病などの生活習慣病の元凶と見なされがちだが、免疫改善機能をはじめ、多様な機能性が解明されており、「主食であると同時に“機能性植物”として、健康食品素材となることを期待したい」とした。つづく

 

 

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