特集【環境配慮型パッケージ・容器】 バイオマス活用・水平リサイクルが加速

 リサイクルプラスチックやガラスを使用した容器、未利用資源を活用して作られた紙パッケージ等、「環境配慮型パッケージ・容器」を採用する健康食品、化粧品ブランドが、ここ数年増え続けている。背景には、大手企業を中心にSDGsの一環として容器包装のサステナビリティに取り組む企業が増え、中小企業に波及したことがある。さらに2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行に伴い、脱プラスチックのための導入ガイドラインが出され、企業の認識が高まった。

 

 2019年1月に官民で設立された「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」(CLOMA)は、「2050年までに容器包装のプラスチック製品を100%リサイクルすること等を目指す」ことを宣言。CLOMA加入団体は460社・団体(2022年1月1日時点)から505社・団体(2023年10月1日時点)に増加。各企業が具体的に取り組むようになった。加入企業の1社であるファンケルは、紙パッケージにおける環境配慮紙の採用を2025年度までに100%を目指すと発表。2022年度は85.2%達成したとしている。同じく加入企業の資生堂は、独自のパッケージポリシーとして「資生堂5Rs」を宣言。2025年までに全化粧品容器を環境配慮型にする目標を発表し、進捗を公開。2022年度は64%を達成しているという。

 

 今回の取材では、多くのパッケージ・容器の製造企業で、環境配慮型製品への引き合いがここ数年上昇にあることがうかがえた。「導入の際にコスト増はハードルとなっている」という声もあったが、「サステナビリティに対して理念のある企業が採用する」という声も聞かれた。容器・パッケージにおける環境対応素材の国内市場は、複数企業への聞き取りと民間調査の結果、さらに紙素材の近年の値上がりを考慮すると、2023年は紙素材が前年比10%程度の成長、リサイクル樹脂、バイオ樹脂は50%以上の成長も予想される。

 

 現在、コロナで停滞していた製品開発が再開し、物価上昇による製品リニューアルも続く。製品開発の際に環境への配慮を見直すブランドも多い。「環境配慮を自社の取り組みとしてアピールする販売メーカーは、コストというよりブランドへの投資だと捉えている」という声も聞かれた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1774号(2023.10.18)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら