特集【奈良県】 『漢方のメッカ推進プロジェクト』で地場産業復興

 奈良県の『漢方のメッカ推進プロジェクト』は、近年の高齢化や医療費削減に寄与する予防医学について、地場産業である漢方や配置薬業のノウハウを活用し、新たな商品・サービスの創出を目指す取り組み。県では、産業政策課および産業振興総合センターをはじめ、福祉医療部医療政策局薬務課、食と農の振興部農業水産振興課による部局横断体制で、原料となる薬用作物の生産から、漢方関連品の製造販売までトータルに力を入れている。令和5年度予算は3,727万円を計上し、漢方関連食品等の製品化に向けた研究や、オンライン動画および販売会イベントによる認知度向上などの販売促進、「健康博覧会」や「食品開発展」など首都圏等での大規模展示会出展、大和トウキ成分の効果検証および新たな含有成分の検索などを実施している。

 

 最重点作物である大和トウキに関しては、「大和当帰」総合情報サイトで、“根は薬、葉は食す”をテーマに、生葉の薬膳料理や、乾燥葉の健康茶などさまざまな情報を発信。大和トウキを活用した商品も随時追加掲載している。大和トウキに次いで、シャクヤクとキハダの研究も進む。奈良県産シャクヤク花中の機能性成分の評価では、シャクヤクの根に含まれる有用成分が花にも含まれることや、抗酸化能が高く、血圧上昇抑制作用がある点などが報告されている。一方、キハダについては、食利用の可能な葉については、カリウムとカルシウムは栄養強調表示栄養機能表示が可能な含量を有し、ビタミンのルテイン、β-カロテン、α-トコフェロールの含有量が高く、アイケアや抗酸化、血流改善の期待できる素材であることを確認。香気成分では、実の柑橘香や緑葉香を利用できることや、葉の血圧上昇抑制効果から、今後、キハダの葉と実は機能性表示食品などの製品展開を期待できるとしている。つづく

 

 

 

詳しくは健康産業新聞1773号(2023.10.4)で
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