特集【麹菌由来素材】 エビデンス蓄積、市場は上昇気流

 「麹」は、様々な原料に胞子の状態の種麹を加え発酵によって製造される。発酵させる原料と、発酵に用いる菌の組み合わせで、元の素材の機能性を増幅したり、別の機能性を生み出したりすることが知られており、盛んに研究が続けられている。発酵により生成した酵素が活性を持つほか、生じた物質が細胞間のシグナル伝達物質として働くことが明らかになっており、様々な機能性を発揮する。健康食品業界で流通する麹菌素材は、『紅麹』『多穀麹』『ショウガ麹』『発酵大豆胚芽抽出物』『発酵きなこ』『天然ヒト型セラミド』『リゾープス麹』『茶麹』『みどり麹』『卵麹』――など多彩。健康食品、サプリメント向けの他、化粧品原料として用いられている。

 

 麹菌由来素材は、国内に河内源一郎商店、秋田今野商店、樋口庄之助商店、糀屋三左衛門(ビオック)はじめ約7社の種麹菌の企業の一部が原料供給または、受託製造している。他にも、発酵技術を持つ酒造系の企業等が供給。ヤヱガキ醗酵技研、ニチモウバイオティクス、ジェヌインR&D、小林製薬、牛越生理学研究所をはじめ、高い技術を持ったサプライヤーが知られている。麹菌由来素材の特徴は、幅広く多様な機能性を合わせ持つことであり、脂質代謝、糖代謝、肝機能、認知機能のほか、冷え、腸内環境、更年期障害、育毛、骨形成、妊娠サポートといった、フェムテック素材としても注目されている。今回の取材によると、原料サプライヤーの動向は、国内向け、海外向け共に高止まり、あるいは微増という企業が多かった。また、麹菌由来素材は、アジアの特に都市部で健康志向が高まり、需要が伸びている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1772号(2023.9.20)で
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