特集【快眠サポート】 快眠ニーズ高まり、新原料続々

 寝具メーカーの西川が9月3日に発表した「睡眠白書2023」によると、調査対象者1万人の内、睡眠に対して「満足している」と答えた人は30.5%となり、前年の30.9%を0.4ポイント下回った。また、不眠症の疑いは51.9%と前年の50.0%から1.9%ポイント増加。ここ3年は同様の傾向が続いており、睡眠に悩む人が増加傾向になっていることがわかる。今年6月に本紙編集部が行った健食受託企業へのアンケート(有効回答133社)では、受注件数が伸びているカテゴリーで、「快眠」が「スポーツニュートリション」と並び4位となり、昨年の10位から大きくランクアップ。ストレスや不眠に対する関心の高さがうかがえる。

 

 快眠サポート関連の商品開発も活発化している。機能性表示食品の受理数は600品を超えた。昨年同時期と比較して、約200品も増加したことになる。機能性関与成分では、GABAが265件と最も多く、L-テアニンの79件、続いて乳酸菌、ラフマ由来ヒペロシド、ラフマ由来イソクエルシトリン、サフラン由来クロシン、サフラン由来サフラナール、クロセチン、グリシンなどが続く。GABAを機能性関与成分とした受理数では、トップを走るファーマーズの『ファーマギャバ®』を三和酒類の『大麦乳酸発酵液ギャバ』が追随している。乳酸菌では、「睡眠の質向上」を謳った『ヤクルト1000』が昨年、急激な人気により品切れが続いたことは記憶に新しい。同社では、『ヤクルト1000』専用工場を2024年に着工し、増産に踏み切ると発表した。

 

 新規の機能性関与成分を用いた商品開発、販売促進も活発化している。沖縄で自生する眠り草と呼ばれる「クワンソウ」は、県内事業者による地道な活動が実り、サプリメント、飲料、茶など様々な形態の商品が流通。伝承的薬効にエビデンスが備わり、睡眠分野で機能性表示食品の受理品が複数登場している。また三菱ケミカルのグループ会社である新菱は、今年3月に「水素分子」で初の機能性表示食品を受理。「ストレスを抱えている女性の方の睡眠の質(睡眠時間延長感)を高める」旨のヘルスクレームで、今年6月に『高濃度水素ゼリー』を機能性表示食品としてリニューアル発売、8月にも新製品を投入した。受理以降、問合せも増え販売を伸ばしているという。さらに池田糖化工業では、納豆菌を機能性関与成分として受理している。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1772号(2023.9.20)で
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