標的分子「酸化ポルフィリン」の役割など、水素の様々な知見が明らかに

 (一社)日本分子状水素医学生物学会による「第12回日本分子状水素医学生物学会大会」が8月28日・29日の2日間、都内ホテルで開催された。招待シンポジウムでは、順天堂大学大学院医学研究科神経医学分野の太田成男氏が、「分子状水素の効果の未解明のメカニズム:酸化ポルフィリンの役割を中心にして」と題し講演。

 

 太田氏は、分子状水素には①効果効能があるのにほとんど副作用がない、②多様な顕著な効果・効能がある、③体内の様々なところで作用する、④悪いところだけを良くする(ホメオスタシスを維持)、⑤届かないところにも作用する、⑥選択的に活性酸素を消去する、⑦フリーラジカル連鎖反応を止める―― など、多彩な機能を持ちながら、基本的なメカニズムが未解明であったが、2022年に中国のQianjun He教授らのグループにより、H2の標的分子が同定され、2023年に論文発表されたことを紹介。

 

 標的分子は、水酸化Fe(Ⅲ)ポルフィリン(PrP-Fe(Ⅲ)-OH)であり、それとH2が反応して、ヒドリドFe(Ⅲ)ポルフィリン(PrP-Fe(Ⅲ)-H)となる。太田氏は、この反応を水素の各種機能に当てはめて解説した上で、「この酸化ポルフィリンという1つの分子群を標的とすることで、水素の多彩な機能を発揮する点を無理なく説明できる」と述べた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1772号(2023.9.20)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら