東京慈恵会医科大学 “ビタミンDサプリ摂取で、がん再発死亡リスク73%減少”

 東京慈恵会医科大学は8月28日、ビタミンDサプリメントの摂取で消化管がん患者の再発・死亡リスクが73%減少したことを二重盲検ランダム化プラセボ比較試験の事後解析で明らかにした。同研究は、文部科学省・科学研究費助成事業からの資金援助を受け、同大・分子疫学研究部教授の浦島充佳氏らが2022年から実施している他施設共同研究の一環。成果は8月23日に『JAMA NetworkOpen』誌に掲載された。

 

 今回、全癌種の30~50%と最も変異頻度が多く、かつ再発率の高いことで知られるp53がん抑制遺伝子に着目。被験者をp53の過剰発現群、中等度発現群、わずかな発現群、無発現群の4グループに分けて解析した。その結果、過剰発現群の内、さらに血中から抗p53抗体が検知できた患者集団の再発死亡リスクを比較すると、他より約3.5倍高くなった。さらに、この患者集団に着目して、ビタミンDサプリメントの連日服用とプラセボで比較したところ、ビタミンD服用患者はがんの再発死亡リスクが73%低くなった。「ビタミンDサプリメントが抗腫瘍免疫を活性化して患者予後を改善することを示す」としている。なお、それ以外の場合では、ビタミンDサプリメントとプラセボで再発死亡リスクに差はなかったため、特にがんの再発しやすい患者に有効であることがわかったとしている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1772号(2023.9.20)で
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