ZOOM UP【幹細胞培養コスメ】 エクソソームの利用が拡大

 化粧品分野で応用が進んでいるのは、主にヒト由来の幹細胞と植物性由来の幹細胞だ。特にヒト幹細胞に人気が集まり、脂肪由来、歯髄由来、毛根由来、臍帯由来、臍帯血由来――などがある。ただ、化粧品に使われる「ヒト幹細胞」原料は、幹細胞を培養した後、幹細胞自体を取り除いた培養液(培養上清液)のことをいう。実際の幹細胞は入っていないことから、正式には「幹細胞培養液」もしくは「幹細胞上清液」と呼ばれる。幹細胞を培養した液体には、様々な成長因子が含まれており、それが美白やシワ改善、育毛などに有効であるとの研究データが確認されたことで、化粧品分野で話題を集めている。研究が先行する海外では、米国や韓国、台湾がエイジングケア化粧品の原料として使用し、特に韓国では、国を挙げて幹細胞培養液の研究に取り組んでいる。

 

 日本でもこれらの動きに追随する形で、幹細胞培養液の研究開発が加速。近年市場が急速に拡大している。実際、本紙が今年6月に化粧品受託メーカーを対象に行った調査(有効回答117社)でも、今年上期・下期(予想)の人気受注素材のトップは幹細胞(ヒト・植物含む)となった。幹細胞は4年連続でトップを堅持していることからも、人気の高さと化粧品原料として定番となっていることを裏付けている。エステサロンや化粧品メーカー関係者は、「幹細胞のエイジングケアに対する体感の高さは折り紙付きだ」と異口同音に言う。また最近では、「エクソソーム」と呼ばれる幹細胞から分泌される微細な顆粒状の物質も注目されている。美容関連や化粧品関連の展示会でも従来のヒト幹細胞コスメの展示から、最近はエクソソームが製品に含まれている点をアピールする出展企業を多く見掛けるようになっている。つづく

 

 

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