特集【α-GPC/HMB-Ca】 α-GPC:老化抑制に重要なリン脂質/HMB-Ca:アフターコロナの注目成分

■α-GPC/コリン補給剤として世界的ニーズ

 α-GPC(グリセリルホスホリルコリン)は、母乳や体内に含まれる栄養成分で、細胞膜の構成と補修に不可欠なコリンの補給元として世界的に知られている。コリンは生体中に存在しながらも肝臓以外の臓器ではほとんど合成できないため、食事から補給する必要がある。すでに米国では水溶性ビタミンとして必須栄養素扱いとなっており、米国農務省(USDA)は摂取推奨量として成人男性で 1日550mg、成人女子では425mgと設定している。こうした状況を背景にスポットを浴びているのがα-GPCだ。海外のリサーチ会社の調査では、コリン補給剤として利用されるα-GPCの世界市場規模は、2015年の約8億ドルから、2027年には13億ドルに成長すると試算されるなど、世界的に注目の成分となっている。

 

 国内では、脳機能サポート素材として根強い人気を誇る。認知機能低下の要因としてコリン不足が知られており、アルツハイマー型認知症の原因の1つに、脳内神経伝達物質であるアセチルコリンの減少が影響していることが昨今の研究で指摘されている。α-GPCはコリン補給の役割を持つことから、認知機能対策素材として利用が進んでいる。イタリアやロシアなどでは、脳機能障害に対する医薬品として利用されるなど、その機能性は折り紙付き。国内でも、リン脂質原料のトップメーカー日油が実施した臨床試験で、アルツハイマー型認知症患者における認知機能評価により、認知機能向上作用を確認。健康長寿のカギを握る重要成分として評価が高まっている。つづく

 

■HMB-Ca/大手採用続き、トレンドの兆し

 HMB(3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート)は、必須アミノ酸ロイシンの代謝産物。筋タンパクの合成促進や筋タンパクの分解抑制、筋細胞の細胞膜の安定化の機能が確認されており、米国ではいち早くスポーツニュートリション分野でサプリメント商品が流通するなど、アスリートやボディビルダーといったコア層から支持されてきた。日本国内では食薬区分改正以降、ごく限られた一部での利用に留まっていたが、ボディメイクを目的としたサプリメントが大ヒットしたことで認知度を押し上げた。2016年にはHMBを関与成分とした機能性表示食品として受理され「筋肉量や筋力の維持」の表示が可能に。現在、ロコモやサルコペニア、フレイル対策としての利用が進んでいる。国内HMB-Caのトップメーカー、小林香料では中高年層における筋肉ケアの需要性を提唱しており、機能性表示食品の利用促進を軸にHMB-Caの普及拡大に力を入れるなど、市場を牽引している。

 

 アフターコロナに突入し、顕在化しているのが運動不足による筋力の低下だ。長引く活動自粛によって招かれた筋肉の低下が深刻化、コロナによる運動機能低下を招く“コロナフレイル”対策が急務になりつつある。筋肉量の維持や増加を目的としたここ数年のプロテインブームは、現在2,000億円超の市場に。今なおその規模を拡大させている。HMB-Caはこうしたプロテインと組み合わせる ケースが少なくなく、筋肉へ作用する“+α素材”としての有力素材として候補に 挙がる。インテージ社が調査した「健康食品・サプリメント+ヘルスケアフーズ+セルフケア市場実態把握レポート」の2022年度最新版によると、HMB市場は41億円と報告。対前年比で約1.3倍に。潜在市場も98億円と推計しており、今後のさらなる利用拡大が見込まれる。つづく

 

 

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