【話題追跡】 「PRISMA2020」で機能性表示の信頼高まるか?
PRISMA声明は論文検索等、SR手法の発展に伴い、より厳密化した改訂版が2019年に発表されている。これを受け、消費者庁は7月25日、「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」の一部改正案を発表。2週間のパブリックコメントを経て、ガイドラインの一部改正を行うことになった。ガイドライン改正を控え、今後は「PRISMA声明2020」の確認が重要になってくる。2020年版は、27項目のチェックリストと4段階のフローチャートで構成され、文献検索の方法や、得られた複数の論文の結果をどのように統合するか等、守るべきプロセスが厳密に示されている。
大きな変更点としては、チェックリストの「データ項目」「結果の統合」等の項目が細分化した。また、フローチャートに「先行研究」の項目が追加されたことが挙げられる。PRISMA声明2020導入後は、評価対象によるものの、複数のデータベースからより多数の論文検索を行い、「定義されたアウトカムの検証」「研究ごとのバイアスリスクを要約」「実施した全ての統合結果を提示する」「評価対象から除外した論文の除外理由を明確に説明する」等、いっそう厳密な評価が求められる。フローチャートが改訂されたことで、過去にSRが実施されている場合、先行のSRを元に新たな研究論文を追加してレビューすることも求められるようになった。
届出支援企業からは、「論文検索の手法が変わる等、影響が大きく、作業量の増加が予想される」という声が聞かれた。SR作成について多くの企業は、専門企業に委託するほか、原料、受託製造事業者に任せているケースが多いが、今後はSRに対する費用や所要期間が増加することも考えられる。届出支援企業等からは「旧制度の届出もPRISMA2020体制でもう一度見直すことが理想だ」「SRの厳格化による届出製品の機能性の質の向上から、中長期的な信頼向上に繋がるのではないか」との声が挙がっている。つづく
詳しくは健康産業新聞1769号(2023.8.2)で
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