特集【オーラルヘルスケア】 ブルーオーシャン市場に健食業界も注目

 フレイル対策の一丁目一番地と言われる口腔内のヘルスケアに注目が高まっている。食事による栄養補給はもちろん、ウイルス・細菌の侵入阻止、会話等コミュニケーションなど、口腔の果たす役割は大きいが、最近は国民の3人に2人が歯周病とされる。なかでも加齢に伴い歯周病やドライマウス罹患者は増加する傾向にあり、口腔の虚弱性「オーラルフレイル」対策は喫緊の課題だ。さらに近年の研究では、う蝕(虫歯)と歯周病の口腔2 大疾患が、糖尿病や心疾患、がん、アルツハイマー病などのトリガーになるとの研究も報告され、政府も健康寿命の延伸を実現する施策の1つとして「国民皆歯科検診」義務化に向けた検討を始めている。フレイル対策、生活習慣病予防、健康寿命延伸の観点からもオーラルヘルスケアの重要性は高まっている。

 

 オーラルヘルスケア市場への関心が高まる要因には、健康食品業界にとってブルーオーシャン市場である点が大きい。健康産業界でフレイル対策といえば、ロコモティブシンドロームやサルコペニアをターゲットにした市場が先行し、群雄割拠のレッドオーシャンとなっている。一方で、口腔領域はこれまで、歯ブラシやハミガキ剤、マウスウォッシュ、フロスなどの非食品が多くを占め、歯の再石灰化を図るキシリトール入りガムなど一部食品は見られるものの、健康食品によるケアはあまり重要視されてこなかった。

 

 こうした中、健康食品業界でもミュータンス菌(虫歯菌)やジンジバリス菌(歯周病菌)の抑制効果、口腔プロバイオティクスに対するエビデンスを揃えた素材提案が活発化してきた。2018年には口腔領域で初の機能性表示食品が誕生。これまでに、還元型コエンザイムQ10やエピガロカテキンガレート、ラムノーザス菌L8020株、ロイテリ菌などを関与成分とし、「お口の潤いに役立つ」「口腔内環境を良好に保つ」「健康な歯ぐきを維持する」等の表示で受理された製品は30品を超えている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1768号(2023.7.19)で
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