特集【注目の伝統食材】 原材料・製法にこだわり、付加価値訴求

 農水省では47都道府県の郷土料理の歴史・由来、関連行事、使用食材、レシピ等をデータベース化した海外向けウェブサイト「Our Regional Cuisines」による情報発信を開始した。日本食は健康面でも評価を集めている。「訪日外国人からみた日本の“食”に関する調査」(農林中央金庫調べ)では、日本食が好きな理由を調査。その結果、「味が好み」「食材が新鮮」「健康に良い」が上位を占めた。日本人対象の「和食のイメージ」調査は昨年11月、スリーエムが発表している。上位から、「健康に良い」(43%)、「栄養バランスが良い」(31%)、「日本人に合っている」(24%)だった。

 

 「自然塩を残したい」という消費者運動から生まれた塩が存在感を示している。高度経済成長期に起こったこの運動は、塩田による製塩法の廃止を契機にはじまり、約5万人の署名を集めた。旨味を感じやすくする特徴があるほか、海水に含まれるマグネシウムやカルシウム、カリウムなど、様々なにがり成分を含む。サプライヤーサイドでは、塩化ナトリウムの純度を高めた精製塩(食塩)との違いなど、塩の啓発活動に注力する動きを活発化。㈱伯方塩業では、減塩ではなく、それぞれの人にあった“適塩”の普及活動を進めている。小学生から大学生、料理のプロを目指す学生や栄養士を対象に出前授業を実施するど、塩の基礎知識や使い方などを発信している。㈱天塩は6月9日、マルシェで塩づくり体験を開催した。海水を蒸発させることで塩ができることを実演形式で説明。海水の塩分濃度は約3 %で、500mLペットボトル換算でカレースプーン1杯分の塩ができることや塩づくりの歴史などを紹介した。

 

 今年5 月の熱中症搬送人数は前年同月比987人増の3,655人(総務省消防局)、2019年に次ぐ多さとなった。塩分摂取の重要性が例年以上に増している。塩は伝統的な食品だが、昨今では研究の進展と共に電解質製品への応用も進んでいる。富山湾の海洋深層水を活用した塩・にがり製品等を展開する五洲薬品㈱は、電解質補給水『経口補水パウダー ダブルエイド』を展開している。水に溶かすだけで水分と電解質を効率的に補給できる粉末飲料として、世界大会を目指すアスリートにも利用実績がある。目的に応じた塩分(電解質)濃度調整もできるという。つづく

 

 

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