【話題追跡】 メンズコスメ有望市場は本当か!?

 最近になってメンズコスメのCMを見掛ける機会が増えている。資生堂や花王からもZ世代の男性を対象にした製品が相次いで登場。化粧男子が増えているとのニュースがメディアを賑わせ、民間調査企業の統計では、メンズコスメ市場が伸長しているとのデータも発表されている。だが、本当にメンズコスメ市場は拡大しているのだろうか…。若干の違和感を覚えつつ、最新のメンズコスメ市場の動向を追ってみた。

 

 経済産業省の生産動態統計調査によると、2022年の男性用化粧品(スキンケア)の国内販売金額は、前年比5.1%増の約154億円となっているが、2017年の約195億円からは年々減少し、2021年は約147億円だった。生産量も販売個数も同統計上では大きな伸びは見られない。同統計は、調査対象が化粧品専業メーカー中心のため、もしかすると異業種企業などがメンズコスメを大量に販売している可能性があるのだろうか…。

 

 本紙では、毎年6月(上期)と12月(下期)の年2 回、化粧品受託製造企業150社を対象に、様々なアンケート調査および訪問取材を実施し、その結果を特集として報じている。今回は117社からの回答を得た(6月21日号既報)。本調査ではメンズコスメ市場の盛り上がりが報じられ始めた2019年から、メンズコスメの受注状況に対する調査項目を新たなに追加し、その動向を追ってきた。今回の調査では、今年上期(1~6月)のメンズコスメの受注について、前年同期よりも増えているとの回答は26.1%で、昨年調査より8.2ポイント減。一昨年調査比では10.9ポイント減少している。本紙がメンズコスメの受注状況の調査を開始して以降、前年同よりも受注が増えているとの回答は平均して3割前後で、大きな伸びは見受けられない。受注アイテムは、スキンケアが圧倒的に多く、ヘアケア、メイクアップが続くが、この構図も2019年から変化はない。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1767号(2023.7.5)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら