特集【23年上期・化粧品受託製造】 コロナ収束で、上期6割が増収達成

 今回、本紙編集部が化粧品受託製造企業150社(有効回答117社)を対象に、取材およびアンケート調査を実施した結果、今年上期(1〜6月)の業績が前年同期を上回った増収企業は60.6%となり、昨年調査より2.3ポイント増加した。その内2ケタ増収を達成した企業は同0.2ポイント増の24.1%となった。増収企業からは、新規受注獲得、大型案件の受注、コロナ収束に伴う受注量回復、メイクアップ化粧品の需要回復を挙げる回答が多かった。

 

 なかでも今年上期は、中・高価格帯シャンプー&トリートメントの需要拡大を受け、製造キャパの大きな企業ほど、大幅な増収を達成した傾向が見られた。I-neやヴィークレアなど新興メーカーの台頭で、中・高価格帯ヘアケア製品は通販に留まらず、最近はドラッグストアなどでも定番製品となっている。また、コロナ明けに伴い、百貨店やドラッグストア、エステサロンなどのリアル店舗での化粧品売上が戻りつつある。一方で、コロナ禍で売上を伸ばしてきたECを含む通販企業の伸びは鈍化。通販チャネルの取引先を多く抱える受託企業の中には、反動で減収になったとの回答も見られた。

 

 今年下期の経営見通しについて「良くなる」との回答は、昨年調査より8.6ポイント増の46.9%。増収を見込む企業も同6.6ポイント増の75%となっている。コロナ明けに伴う取引先の増産や、メイクアップの受注増などを理由に挙げる企業が多く見られる。一方、引き続き原料・資材、エネルギーコストの高騰による利益圧迫を懸念するコメントもほぼ同数見られた。また、工場の慢性的な人手不足も深刻化しており、コロナ明けに伴う市場回復に関して、もろ手を上げて喜べる状況とまでは言えない状況となっている。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1766号(2023.6.21)で
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