特集【22年上期/健食受託加工・製造】 上期回復に手応え、下期6割増見込む

 本紙編集部は、健康食品の受託加工・製造企業約250社(有効回答133社)を対象とした調査を実施した。今年上期(1〜6月)の増収企業は、昨年調査から6ポイント増の50%だった。コロナが収束へと向かう中、既存顧客からの受注増に加え、人流回復とともに、新商品開発が増え、新規顧客獲得も進んでいるほか、インバウンド需要の回復も始まっている。人気受注素材では、昨年同様、乳酸菌、NMN、プロテインが上位を占めた。原材料や資材の高騰、物流コスト増、工場のエネルギーコスト増など、昨年から続く不安材料は残ったままだが、本格的なインバウンド需要の復調など市場活性化への期待感は高く、今年下期(7〜12月)は6割強が増収を見込む。

 

 調査では、売上高や増減率、経営状況、市場の景況感、設備投資の現状、人気受注素材、輸出製品の受注実績や機能性表示食品制度への対応状況、新型コロナウイルスの影響、今後の見通しなどについて聞いた。調査対象の企業の売上高は、10億円未満が50 %、10〜50億円未満が32%、50〜100億円未満が10%、100億円以上が9%。今年上期の業績が前年同期比を上回った増収企業は50%で、昨年調査から6ポイント増えた。減収企業は31%で、昨年調査から3 ポイント減少した。今期上期の経営状況は、昨年調査から1ポイント増え36%が「良好」と回答。「どちらともいえない」との回答は49%。「悪かった」との回答は15%で、前年調査から2ポイント増えた。

 

 「良好」と回答した企業からは、新型コロナが収束へと向かう中、既存顧客の安定した受注確保や増加、新規顧客の獲得を挙げる回答が多かった。また、インバウンドや海外輸出が回復しているとの回答が目立った。インバウンドの状況に関する質問では、「増えている」という回答が、昨年調査から20ポイント以上増加した。このほか、「イベント再開に伴い注文が増えた」「宣伝講習販売、ネットワーク向け商品が復調してきた」「ゼリー飲料が回復した」「グミ、ペット向けの注文が増えた」「ウコンサプリのOEMが好調」など、回復に向けた足取りに手応えを実感する様子がうかがえた。
 

 「どちらともいえない」「悪かった」との回答した事業者からは、原材料や資材などの高騰や、物流コスト増、工場のエネルギー増などを挙げる回答が多かった。別の質問でその対策を聞いたところ、各社では、原材料や資材などの仕入れの見直し、納入価格の値上げの実施のほか、発注ロットの見直し・集約、製造の効率化、運送手段の改善など、可能な範囲で自助努力を続けている。「再値上げを実施した」という事業者も少なくなかった。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1766号(2023.6.21)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら