【話題追跡】 縮小続く食品市場、「人口問題」から見た サプリメントの潜在ニーズはどこに⁉

 総務省統計局によると、国内の総人口は1億2,450万人(5月1日現在:概算値)で前年比61万人減。厚労省人口動態統計では、令和4年の死亡数は過去最多、出生数は初の80万人割れとなるなど、人口減少が深刻化している。人間の胃袋の容積に比例する食品市場が縮小傾向にある中、「人口問題」から見てサプリメントの今後の成長路線はどこにあるのか――。

 

 人口が減少すると、必然的に食品市場も自然縮小に向かう。「2030年における食品+飲料+酒類の市場規模は10%縮小」(出典:インテージ「知るギャラリー」4月7日公開)によると、2030年の食品、飲料、酒類の市場規模は対22年比で8.4%減と分析。だが、サプリメントに関しては、「人口減の影響が少ない」としている。ターゲット数の拡大という観点で「人口問題」に着目した場合、65歳以上の高齢者人口は、第二次ベビーブーム世代が後期高齢者となる2050年まで増加が見込まれている。総務省の長期的推移では、2030年の高齢化率は31.8%、2050年39.6%、2100年40.6%と推測。

 

 サプリメント市場では、健康意識が高く、かつ人口増加世代である65歳以上の高齢者に向けた様々な開発・提案が進んでいる。潜在需要の拡大が見込まれるカテゴリーは、予備群含め推計患者数4,700万人の「ロコモ・フレイル」や、同1,400万人の「メタボリックシンドローム」、2025年推定約700万人の「認知症」などの対策商品。このほか、要介護とならないための「アクティブシニア」、ジョギング等含め参加人口推定4,900万人超の「スポーツニュートリション」などもニーズの拡大が見込まれる。

 

 また、厚労省調べで一般成人の30~40%が有する「不眠症」、女性の健康課題や悩みに応える「フェムケア・フェムテック」、不眠や更年期障害とも関連する「ストレス」など、中高年層をターゲットにした対策商品も伸び代が期待できる。このほか、介護食で対策商品の多い「オーラルフレイル」や「口腔ケア」については、歯科医院にて、患者だけでなく健常者向けにサプリメントを提案する新たな商流が拡大している。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1766号(2023.6.21)で
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