特集【中国産原料サプライヤーの戦略】 食品輸出約200ヵ国、漢方から話題の新素材まで

 中国の主要貿易相手国のトップ3は、輸出が米国、日本、韓国、輸入が台湾、韓国、日本の順。なお、日系企業の海外拠点数は第1位で、日本にとっては最大の貿易相手国だ。世界第2位の経済規模を有する中国では、食品を約200ヵ国に輸出している。健康食品原料では、漢方で用いられるハーブやキノコ類、蜂の子、ツバメの巣、水蛙、紅景天、希少素材の羅漢果などをはじめ、日本でも高いシェアを占める素材として、アミノ酸やグルコサミン、プロテイン、ビタミン類、コラーゲンなどのほか、NMN、合成CBD、ステビアなどの話題素材を世界各国へ供給している。

 

 国内では、フィトファーマや中原、サンクト、シンギー、フリーマンニュートラグループ、大栄トレーディングといったサプライヤーが、日中間における「価格」と「品質」の安定、安全性管理(残留農薬・菌数などの品質検査)、取扱い原料の製造工場検査などを徹底し、日中の掛け橋として健食ビジネスで活躍している。日中に精通するサプライヤーに共通する点は、グローバルな需給バランスのアンテナに敏感な点だ。

 

 華僑のネットワークでグローバルにビジネス網を展開する中国は、同国同士の会談・会合などもあり、一般のメディアに頼らない強力な情報網を持つ。原料サプライヤーからは、「欧州が日本以上にお金を出す傾向にある」「東南アジアがかなり元気な市場になってきた」「米国は政府が喧嘩しているが貿易は炎上していない(取引が多い)」「ベトナムの原料競争が激しくなっている」など刻々と変わる市場動向を敏感に捉えたコメントも多く聞かれる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1765号(2023.6.7)で
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