特集【美肌】 “エビデンスベースの美肌素材”の提案強まる 

 「肌」をヘルスクレームに含む機能性表示食品は704品(2023年5月30日現在)に。この1年で約200品が新たに受理された。関与成分はセラミド、ヒアルロン酸を筆頭に、N–アセチルグルコサミン、アスタキサンチン、乳酸菌、クロロゲン酸、大豆イソフラボン、コラーゲンペプチド、ローヤルゼリー、GABA、フィコシアニン、プロテオグリカン、β-カロテンまで多岐にわたる。秋ウコンエキス(ハウスウェルネスフーズ)、月桃葉抽出物(丸善製薬)など、エキスを関与成分する受理品もある。表示内容は肌の水分保持、うるおい・保湿力サポート、弾力維持から紫外線対策、肌の不快感改善まで。ブロッコリー、もやし、トマト、パイナップル、パプリカなど、生鮮食品での受理も16件まで増えた。

 

 「肌」カテゴリーの機能性表示食品は、(取り下げを除く)累計受理数の1割を超えており、2020年度(108品)、2021年度(173品)、2022年度(189品)と年々受理数を伸ばしている。背景には、商品形態や関与成分、表示内容が多様であることに加えて、ダブル・トリプルヘルスクレーム商品での採用が多いことにある。受理品を見ると、肌ケアに特化した機能性表示が半数を超えるものの、「快眠」「ストレス」「アイケア」「整腸」「脂肪対策」と組み合わせた表示での受理ケースが目立つ。受理企業からは、「男性層の取り込みにより、美容マーケットが拡大基調にある」「インバウンド需要の復活は機能性表示食品市場の拡大に拍車をかけるだろう。その筆頭がメイドインジャパンの美容商材」などのコメントがあった。

 

 市場には、保湿、抗酸化、抗糖化、抗炎症、抗紫外線、アクネ菌対策など、多種多様なコンセプトの“エビデンスベースの美容素材”が流通している。本特集で行った美肌原料サプライヤーへの聞き取り調査では、各社とも総じて好調に推移している。好調要因としては、副素材としての新規採用、大手化粧品ブランド・異業種企業での商品化などがある。ダイエット、アイケア、スポーツ対応サプリメントの+α素材としての新規採用が目立つ。伸長著しいプロテイン製品への配合提案も進んでいる。アスタキサンチンのサプライヤーである富士化学工業では、「機能性表示が可能な美容・アイケア機能が評価され、女性用プロテイン製品への採用実績が増えてきた」とするなど、アップトレンド市場へのマーケットインが進む。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1765号(2023.6.7)で
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