特集【鮫肝油】 免疫意識の高まりで注目度上昇

 漁師達が健康維持のために古くから飲用していた鮫肝油。健食業界では馴染みある伝統マリーン素材として長年にわたり利用されている。健食向け原料は、鮫肝油からスクワレンを抽出・精製した高純度の原料や、スクワレン以外のジアシルグリセリルエーテル(DAGE)など特定の有用成分だけを抽出した原料、またスクワレンのみならず肝油に含まれるその他の有用成分を生かした製造法による生肝油タイプなど流通する。原料相場はスクワレンがキロ当たり4,000円から6,000円。化粧品向けのスクワランが3,500円から5,000円前後。原料価格は比較的安定しているものの、エネルギーコスト、物流コストが膨らむ中、「価格が下がる可能性は低い」とみるサプライヤーが多い。

 

 各社からは、「コロナ関係なく、通販向けの供給量は堅調に推移している」「今年に入り、薬系商品向けの注文量が戻り始めている」「免疫を高めることへの関心が広がり、新規の問合せが増えた」などの声が聞かれた。海外産メインの鮫肝油原料だが、国産品では、沖縄県、青森県、宮城県、静岡県などの海域で捕獲した深海鮫の鮫肝油がある。沖縄に拠点を置くスクワラン本舗は、沖縄近海で捕獲した鮫肝油の原料・OEM供給の展開。国産品として国内外から引き合いが増え、前年比2ケタ増増を達成した。新たに参入する企業も。テルヴィスは宮城県気仙沼湾などで水揚げされた鮫を使用し、DAGE、DPA、DHA、EPAを規格した精製鮫肝油の供給を開始した。

 

 最終製品は、製造法に伴いスクワレンをはじめとした高純度タイプ、生肝油タイプと大きく分けて2種類の製品群が流通。免疫サポート、肝機能サポートといった訴求点に加え、血流改善や、コレステロール、中性脂肪、脂質代謝改善作用、睡眠の質改善作用などの研究報告もあり、生活習慣病予防に観点を置いた提案もみられる。鮫肝油サプリメントは、えがお、エバーライフ、オリヒロブランデユなどをはじめ、10年、20年とロングラン製品が多い。販売メーカーの「30日分より90日分の商品購入が多い」といった声からも高齢者を中心にリピーター顧客が根付いている様子がうかがえる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1764号(2023.5.17)で
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