DgS健食販売額、9%増の約2,570億円

 2022年度のドラッグストア(DgS)での健康食品販売額が2,500億円を超えたことが、経済産業省が4月28日に発表した「商業動態統計速報」でわかった。伸び率は前年を上回る9%増。プロテインが好調なほか、コラーゲンや機能性表示食品などが売れ筋に。外出増で、化粧品関連の販売額も復調している。ただし、DgSの販売額増加の背景には、昨今の物価高の値上げ分も反映されているとみられる。

 

 22年度のDgS販売額は7兆8,205億円で前年度比5.8%増となり、過去最高を更新。店舗数が同4.3%増の1万8,587店に増えたことが寄与した。カテゴリー別では、販売額が最も大きい「食品」が2兆4,450億円で同7.8%増と伸びた。DgS販売額に占める「食品」の割合は31.3%となっている。次いで販売額が大きい「家庭用品・日用消耗品・ペット用品」は1兆1,382億円で、同0.2%減と横ばい。コロナ需要の反動があるとみられる。販売額3位の「ビューティケア(化粧品・小物)」は9,803億円で同7.6%増。19年度に記録した1兆32億円には届かなかったものの、過去2番目の規模となった。外出規制の緩和で、日焼け止めやメイクアップ関連などが好調だったようだ。

 

 DgSで伸び率が最も高かったのは「調剤医薬品」。7,375億円で同13.0%増となった。「OTC医薬品」も9,383億円で同8.0%増と好調だった。一方、「トイレタリー」は6,293億円で同4.2%減と苦戦した。「健康食品」は2,574億円で同8.9%増。1〜2月はコラーゲン、2〜3月は生活習慣対策の機能性表示食品が好調との声があったという。宴会需要が回復した1月は、ウコンの需要も高まった。 経産省のサービス動態統計室ではDgSの状況について、「価格の上昇が目立ってきている」としており、価格上昇分が販売額の増加に影響した部分もあるようだ。

 

 本紙がDgSに行った取材では、健康食品ではプロテイン、エナジードリンク、睡眠関連、機能性表示食品が好調との声が聞かれた。プロテインでは、前年の3倍になったという企業もあった。管理栄養士の推奨が奏功しているという企業もみられる。また化粧品に関しては、「カウンセリング化粧品が復調しているので、今後はマスク売り場縮小とともに化粧品売り場の拡充を進める」「苦戦していたメイク用品が復調から好調へ転じている」などの声があった。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1764号(2023.5.17)で
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