ZOOM UP【アーユルヴェーダ】 活用ハーブ6,000種超、エビデンス背景に新提案も

 身体、心、精神を一体と考え、そのバランスを整えることで、健康の維持・回復を目指すアーユルヴェーダの理論体系は、未病から治療まで広範囲におよぶ。世界的な高齢化、医薬品の副作用の問題、生活習慣病の増加などを背景に、安全、安価、効果的な医療としてWHO(世界保健機関)も推奨しており、代替医療として様々な科学的検証が行われている。アーユルヴェーダで重視されるのが活用されるハーブ群で、その数は6,000種以上といわれている。研究途上にある未知の有望素材も多く、国内では、理論に精通した原料サプライヤーやメーカーを通じて、サロンオイルなどの施術用製品や、健康食品の開発などに様々な有望素材の提案が進んでいる。

 

 コロナ禍においては、インド・AYUSH省(アーユルヴェーダ:Ayurveda、ヨガ:Yoga、ナチュロパシー:Naturopathy、ユナニ:Unani、シッダ:Siddha、ホメオパシー:Homeopathyの6つの伝統健康法の頭文字を取った略称)を通じて、伝統的な健康管理体系の国際振興が進んでいる。国内では昨年10月、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)がAYUSH省管轄下の全インドアーユルヴェーダ研究所(All India Institute of Ayurveda、AIIA)と研究協力覚書を締結。高齢化社会が急速に進む中、日印で協力して天然由来の安価で安全な有用物質の科学的根拠の裏付けを行う。特にストレスの改善や老化の予防に有効な物質の探索と評価に焦点を当て、「健康寿命の延伸や疾病克服に貢献する新たな医薬品や機能性食品の提供を目指す」という。

 

 また、インド大使館は今年3月に日本向け情報発信部「AYUSHインフォメーションセル(AIC)」を設立。日印の開業医と研究者の間で専門知識を交換するためのプラットフォームを提供するなど、今後、アーユルヴェーダをはじめとした伝統医学領域における情報提供を企業や研究者らを対象に促進していく。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1763号(2023.5.3)で
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