特集【静岡県】 受託各社好調な稼働で、県内景況は回復基調に

 温暖な気候に恵まれ、豊富な農林水産物や恵まれた地域資源を持つ静岡。関東圏と関西圏の中央に位置し、交通の要所でもあることから製造業も古くから盛んで、食品製造が盛んな地域としても有名。健康産業集積地としての顔も持ち、健康食品の受託製造企業が軒を連ねるのも静岡の特徴だ。経済産業省発表の最新の経済センサス産業別集計の最新版では、令和3年における全国の栄養補助食品(錠剤、カプセル等の形状が対象)の出荷額は3,623億6,800万円。そのうち静岡県の出荷額は657億3,700万円となり、13年連続で全国トップを独走している。

 

 静岡の受託企業各社を回ると、アフターコロナに入り、好景気である印象。受託企業を対象に昨年末本紙が実施したアンケート調査でも、2022年の売上状況について2021年対比で2ポイント増の50%が増収。減収企業は35%で1ポイント改善するなどの結果通り、回復基調にあることがわかった。「機能性表示食品案件の受注増加」や「大手企業の新商品開発が昨年より増えた」、「国内インバウンド向けの案件が動き出している」など、アフターコロナに突入し、回復に向けた手応えを実感するコメントが多数聞かれた。

 

 一方で深刻なのが円安などの影響による原材料や資材の高騰や、人材不足だ。為替の影響もさることながら、海外からの輸入原料は軒並み高騰状態に。工場のエネルギーコストの増加も無視できない状態で、利益を圧迫し、増収ながら減益の傾向が続く。原料仕入れの見直しや生産効率の向上、製造コストの削減など、各社自助努力でできる限りの取り組みを地道に行うが、それだけでは消化できない状況で、「取引先に値上げの協力を依頼している」など、納品価格改定の要請に苦労をにじませている。

 

 また、工場の人手不足も問題に。先のアンケートでは、「人手不足」「やや人手不足」と回答したのが83%で、前年調査から7ポイント増えた。「時給を上げてもパートスタッフが集まらない」「人材流出を防ぐために賃金の値上げを行うが、これも利益を圧迫する要因」といった声が多かった。コロナにより健康意識が高まり、サプリメントや健康食品への需要が拡大しているだけに、こうした課題を業界全体で解決していく必要がありそうだ。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1763号(2023.5.3)で
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