【調査データ解説】 水素商材メーカー45社の状況を分析 

 本紙編集部では、水素商材の取扱各社に訪問取材およびアンケート調査を実施、45社から回答を得た。ここでは、2023年上期の経営状況および2023年通期の経営見通し、販売チャネル動向、海外取引状況について、調査データを交えて最新情報をレポートする。

 

■今年上期4割が「経営良好」

今年上期の経営状況について「良かった」との回答は40%となり、昨年調査よりも10.8ポイント増加した。逆に「悪かった」との回答は同12.6ポイント減の8.9%にとどまった。昨年の水素商材市場では、中国のロックダウンの影響で、水素水生成器や水素吸入器などの部品調達に支障をきたしたほか、中国輸出の減少、さらに国内の健食用カプセルメーカー大手2社による自主回収問題などが影響し、高まる需要に対し、製品供給が追い付かず、商機を逸したメーカーも少なくなかった。今年上期は、売上・増減率回答のあった企業の6割が増収、その内7割強が2ケタ増収を達成しており、市場のV字回復が見られる。

 

■販売チャネルはエステサロンがトップに

 水素商材の原料供給、卸売・直販、OEM先を複数回答で聞いた結果、「メーカー・商社」では、昨年調査同様、化粧品、健康食品、医療・健康機器のトップ3は変わらず。原料サプライヤーの話では、水素入浴料やヘアトリートメント向けの供給は、引き続き堅調な上、サプリメント向け原料も上向いているとのこと。実際、サプリ販売企業の中には、月2〜3,000個の販売実績を持つ企業も。医療・健康機器は、水素吸入器の取扱量が増えていることを裏付けている。「小売」では、昨年調査と同様、通販がトップ。ただ通販には自社サイトも多く含まれるため、得票数の多さと売上高とは必ずしも比例していない。次いで宣講販、訪販、催事販売と上位は無店舗販売が占めた。店舗では唯一、薬局・薬店・ドラッグストアが4位にランクインした。 「施設」では、水素化粧品など美容系商材の人気を受け、昨年調査で2位のエステサロンが、同1位の治療院と入れ替わってトップに。3位は昨年同様、医療機関となった。

 

■海外輸出、4年ぶりに回復

 海外輸出実績については、「輸出実績がある」との回答が43.2%で、昨年調査より3.6ポイント増加。コロナ禍から4年ぶりに回復した。輸出実績のある国については、今期もトップは中国(香港含む)。ロックダウンが明け、輸出も戻りつつあるとのコメントが聞かれた。2位は台湾、3位にはマレーシアが昨年の5位からランクを上げた。4位の米国以外は、全て東・東南アジアとなった。ただ今回の取材では、英国やポーランド、スペインなどヨーロッパ諸国への輸出も増えていることがわかった。水素商材のマーケットは、全世界に広がっていくものと期待される。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1762号(2023.4.19)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら