特集【水素】 家庭用商材が伸長 、上々の滑り出し

 今年上期は、水素の有用性を広く認知させる話題が相次いだ。慶應義塾大学は3月22日、水素吸入療法を用いた二重盲検無作為化比較試験で、院外心停止患者の救命および予後の改善に有効な結果が認められ、3月17日付で国際的な学術誌『eClinical Medicine』に、同研究成果が掲載されたことを発表。このニュースは、3月27日のNHK「おはよう日本」でも紹介された。3月24日には、制度開始より8年目で「水素分子」を関与成分とする『高濃度水素ゼリー』が、業界初の機能性表示食品に受理された。届出者は㈱新菱で、ヘルスクレームは、「本品には水素分子が含まれます。水素分子にはストレスを抱えている女性の方の睡眠の質(睡眠時間延長感)を高める機能が報告されています」。今回の機能性表示食品は、同社の特許技術に基づくものだが、「水素分子」が関与成分になった点は、水素の有用性を示す上でも大きなアドバンテージとなる。

 

 本紙では今回、水素商材メーカーへの訪問取材およびアンケート調査を実施。45社から回答を得た。今年上期の経営状況については、4割が「良かった」と回答。売上高・増減率に回答した企業の6割は、前年同期比で増収、その内7割強が2ケタ増収を達成しており、幸先の良いスタートを切っている。今年上期の売れ筋商材をみると、近年成長著しい水素吸入器では、医療機関、鍼灸接骨院や整体院などの治療院、エステサロン等に業務用を堅調に導入する企業、家庭用で年間3〜4,000台販売する企業が見られた。

 

 また水素発生原料も好調をキープ。主要サプライヤーの話からは、入浴料や化粧品向けの原料・OEM供給は堅調を維持している一方で、サプリメント向けの原料・OEM案件が伸長している様子だ。昨年はハードカプセル不足で、需要に応えられなかったサプライヤーも少なくなかったが、今年上期の供給量は、多いところで前年同期比5割増しや倍増といったコメントも。サプリ販売メーカーの中には、月2〜3,000個の販売実績を上げるところもみられた。

 

 水素水サーバーや水素水生成器(整水器)の売れ行きも堅調に推移。フィットネスクラブ向けの業務用サーバーは、コロナ禍が収束に向かう中、クラブの売上高・会員数回復に連動して、水素水購入者数も回復。家庭用はコロナ禍で国民の予防・健康意識の高まりを背景に、普及率が拡大している。このほか、風呂用水素水生成器も伸びている。テレワークの定着に伴う入浴機会の増加、水素入浴料の人気継続に伴い、コストパフォーマンスを求めるユーザーからの買い替え需要が、要因と考えられる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1762号(2023.4.19)で
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